昨年から、外国人留学生に、夏休みのアルバイトに来てもらっています。きちんと学生課を通して、お願いして来てもらった、エリート大学生です。縁あって、とある九州の大学から、はるばる来てもらっています。
日本からも、自国からも奨学金を受けていますが、生活費が充分とは言えず、また学業の方も忙しいわけですから、そうそうアルバイトに精を出すことも叶わず、・・・・・
中には生活費が続かないから、という理由で、帰国を余儀なくされる学生も沢山おられるそうです。「一ヶ月一万円生活」は、日本のテレビではエンターテインメントですが、全く真面目に、一ヶ月を一万円ちょっとの食費でやりくりしている留学生は実在します。そして、せっかく日本に来て勉強をする、というチャンスを得たのに、お金が続かないばかりに夢をあきらめる、というのは、いかにも切ないことです。
こういった学生さんを応援したい、少しでも支える事ができないか、ということで、交通費を出してあげて、九州は大分から、はるばる飛んで来てもらいます。なかなか北海道まで旅行してくることは難しい訳ですから、最初に「働くことも、一生懸命頑張って欲しいけれど、お休みには北海道の中をできるだけあちこち行ってね。せっかく北海道に来た、この機会を存分に楽しんで行ってね。」とサジェスチョンします。
今年は、二人のベトナム人大学生の女の子が二人でした。
純朴で、真面目で、聡明です。
今や、日本では死語となってしまった「苦学生」です。
仕送りをたんまりもらい、遊びまわっている日本の大学生達は「苦学する」という言葉すら知らないでしょう。幸せすぎるという事は「感謝すること」や「思いやること」を、本当に知ることを邪魔してしまうのかも知れません。
かわなみにて、一ヶ月半働いて、彼女達は大学へ戻っていきました。
札幌へ遊びに行った折には、なんと一泊千円で泊まるところを見つけました、と目を輝かせ、今年が最後となった昭和新山火祭りに行き、かわなみスタッフのお姉さんにはゆかたを着付けてもらったりして、思い出の夏、となったようです。
「かわなみ卒業生」達が、将来どんな人に育っていくのかが、楽しみです。就職しました、結婚しました、子供が生まれました、なんていうニュースも、楽しみです。「戦争の無い世界」という言葉が、遠いものでなく、本当に心から、そう願わずにはいられない、夏の終わりです。
北海道 洞爺湖温泉 かわなみ 〈 恵 〉