こちらのブログにリンクされているで車好きの方のブログも 

http://ameblo.jp/k1morii/  ありますので、

旬の話題として車をテーマにしたいとおもいます。


本州(東北や北陸の豪雪地帯のかたを除く)の皆さんで車が

道路上ですべってあらぬ方向を向く、または向きそうになる

という経験は、 レーサーまたはそれに順ずる

アマチュアドライバーかローリング族の皆さんか

あるいは不幸にしてそうなってしまった方以外

なかなか無いと思います。  


ところが雪国では普通のおば様などもごくごく自然に

「ギャクハン」(専門用語ではカウンターステアというらしい)

を使用しているのです。

北国のドライバーは降雪期の圧雪時、思わず左に振れた

お尻(車のですよ)に対しハンドルを

右に適正にきっているのです。

というのも普通は70キロとか100キロで起こる現象が、

家の周りのちょっとした交差点でもわずか20キロくらい

でもタイヤのグリップが容易に失われてしまうからなのです。

冬の札幌市内ではよくタクシーが交差点をドリフト走行して

いるのを見て観光客の方が感心されていますね。


さて本題ですが、私のところに身内から預かっている

古いポルシェがあります。

多分20歳くらいの妙齢だと思いますが、今まであまり興味も

なかったので詳しいことはわからないのですが、

すでに2年くらい前に車検が切れてそのままです。


    ↑汚い写真ですいません・・・↑

きょう、たまたま物置を覗くとこのほこりをかぶったポルシェが

目に留まり思い出したのです。まだ車検があるころ私も預かった

手前時々エンジンをかけ、またちょっと走ったりしていたのですが、

あらゆる意味で鼻につく(ポルシェファンの皆さんごめんなさい)

におい(これはどこからかオイルのにおいがむっていたと思います) 

やシフト、バランスの悪さ・・・要するにブレーキをかけたいと思って

ペダルを踏んでも、そこに程よく路面のこぶがあって前輪が

はねて荷重がかかっていなかった場合には確実にブレーキ

のきき始めがワンテンポ遅れます。  


この車は絶対オーバースピードでカーブに入ってはだめよと

友人やお客さんみんなに言われましたのでブレーキをかけながら 

(車好きのかたは「ブレーキを残して」と言うそうですが) 

カーブ (同じくコーナーといいますよね)  

に進入してしまったときはとてもあせります、

ただこのような場合でも次の瞬間に前輪に加重が

かかってからは「ギュット」って感じで確実にスピードが

落ちているのは年寄りでもポルシェなんだ!

と感動を覚える瞬間でもあります。

誤解のないように断っておきますが、

私はローリング族の皆さんの仲間だったわけではなく

ごくごく普通の北海道で生まれて育った平均的ドライバー

ですが、もう一つこの車の感動的なところは、  

通常の車はドリフト中ではアクセルを踏んでいくとお尻の

振り出し量が増えるだけのように感じますが

(それにつれてスピードも落ちてゆくように感じます)、

この車はカーブに進入する前にきちんと減速

(減速しすぎると何も起きませんが)しそれに合わせて

低いギアに落としておくと、アクセルをグンと踏み込んだとき

にお尻も外に振れていきますが、リアタイヤが地面をけって

車を前へ前へ押し出す感じが独特なんですね。  

その理由はこの車はお尻にエンジンがあるので普通でも

テールヘビーなので後輪にしっかり荷重が乗っている

からだと思います。

バランスの悪さもこのときは美点となります。


(ここからが本当の本題ですが)  

この物置のポルシェを見て、昔若いころの、アイスクリーム

の卸のバイトを思い出しました。 

今のようにコンビにも無い時代ですから、どこのお店も

店先にアイスクリームのストッカー (冷蔵庫) が置いて

あって、そこに減った分のアイスを補充しながらお店のご主人

や看板娘の方とおしゃべりして一箱でも多く入れさせて

いただくという仕事でしたが、春に始めた時は 楽勝と

思っていましたが、 暑くなるにつれて、 朝積んで出るアイス

の量が通称サニトラ(サニートラック)の荷台のストッカー

一杯になり、さらに途中で無くなったら営業所へ戻って

積みなおしという状態になりました。 

すると営業所を出るときに車のリアタイヤに加重が

どっとかかり、後ろから見ると完全シャコタン(もう死語ですね)

状態で、前輪の切れが悪くなり

(ハンドル切っても方向が変わらん)、 

ブレーキもタイヤ荷重がかからない分利きが甘くなってしまう

のでした。小さな1200ccのトラックですが、真夏はアイスが

溶けるのと競争ですし、かつ安全に配達を終了するためには

速度制限や車間距離を守る事以外に、結構ドラテクを要求

されたわけです。そのときのテールヘビーなサニトラの挙動が

基本的に次元は違っても往年のポルシェ911と共通していた

なあと、妙な共通点を思いだしてしまったのでした。


(北海道洞爺湖温泉 かわなみ館主)