少し前に(とはいえ既に10年以上も経っている)出した本と論文で「ノイマン系の $N=2$」が「振り子の問題」と等価であることを指摘した。具体的には,前者の変数を $x=\cos(\phi/2), y=\sin(\phi/2)$ と表わすと,その運動方程式が後者の運動方程式 $\ddot{\phi}=-\omega^2 \sin\phi$ の $\omega^2=b-a$ の場合に帰着する:$a, b$ は $x, y$ のバネ定数($a<b$)。
そんなことを思い出したのは,最近「戸田格子」の $N=2$ における運動方程式が $\ddot{Q}=-4\sinh(Q)$ となることに気付いたからである($Q=Q_1-Q_2$)。これは上述の振り子の運動方程式と「そっくり」である($Q=i \phi, \omega^2=4$)。変数を複素化するのは得意技だったのだから,とっくの昔に気付いても良いはずなのに「私のような凡人は分かりが遅い」のである。表題をニーチェ『悦ばしき知識』からの引用にした理由である。
さて「戸田格子の $N=2$ はノイマン系の $N=2$ に等しい」のであるから,一般の $N$ でも同じではないかと予想したくなる:何しろどちらも可積分である。そんなわけで $N=3$ を比べている最中なのだが,残念ながらこの予想は正しくないらしい:3つのパラメータ $a, b, c$ の処理法がないのだ。どうやら $N=2$ すなわち「振り子の問題」は,リー代数の「ルートが1つ」の場合に似ていて,戸田格子系とノイマン系は「別の系列」に対応しているということらしい。
ここしばらく数学の問題をやっていたのだが,物理の問題への興味が復活してきたのは喜ばしい。勘と腕が鈍っていなければ良いのだが(笑)。