私には無謀というか大胆なところがあって,面識のない大先生に手紙を書いて返事を頂いたことが,それほど多くはないが何度かある。じつを言うと兄が中村真一郎先生を訪ねるようになったのも,彼が別件で三輪秀彦先生に質問の手紙を出して訪問した際に,隣にお住まいの中村先生を紹介された,ということらしいのだ。なので兄弟揃って似たもの同士ということになる(笑)。
大昔で電子メールが普及する前のこと,面識のない益川敏英先生にあるお願い事の手紙を差し上げたところ,しばらくして当時所属していた研究所へ持って来てくださったことがある(ついでだったそうだ)。友人達には「なんて乱暴なやつだ」と顰蹙をかってしまったが,分野違いということもあってそんなに偉い先生とは知らなかった(ノーベル賞受賞前);今なら尻込みしたことだろう。また既に面識はあったが,広田良吾先生に質問と別刷り請求の手紙を差し上げたところ,折り返しすぐに送ってくださってそれが大いに役立ったこともある。
外国人では,ずいぶん前に数学者のマクドナルド先生に質問の手紙を出して,やはり折り返し先生の有名な論文の別刷を添えたご返事を頂いたことがある;数年前に亡くなられたことをつい先程知った。今では文通もしているクナップ先生とは,ご著書に関する質問と私のアイデアをメールしたのが始まりだった。最近私の連分数論文について先生に意見を求めたところ,自分は分野違いだと言って「アンドリュース教授に訊いてみろ」と勧められた。あまりにビッグネームの大先生(88歳)なので二の足を踏んだが,思い切ってメールしたところ今朝になって返事が届いて感激している。文通が始まりそうなので現在ワクワクしている;ラマヌジャンについて訊ねたいことも沢山ある。