家賃設定と「広告料」 | シミチャン ブログ

家賃設定と「広告料」

不動産売買をメインにしている不動産業者から物件紹介を受けた投資家が、その業者が設定している家賃を鵜呑みにしてしまい、現実には想定していた賃料では成約に結びつかず、空室が一向に埋まらないという失敗が数多く見受けられます。



札幌市の賃貸専門業者を例にとると、市内の地下鉄駅周辺には必ずと言って良いほど賃貸不動産店舗が存在しております。


また最近ではJR駅周辺にまで店舗展開を行っている賃貸専門業者もあります。


これらの賃貸専門業者はやはりプロです。


入居が決まる物件、そして決まらない物件を知っています。


ですから、収益物件購入の際、賃料設定については購入物件周辺の賃貸専門業者への賃料査定が重要になってくるのです。


ただし、オーナー様が賃貸店舗へ直接訪問して、賃料設定を依頼したとしても正確な査定を望むのは困難だと思います。


仲介業者にとってオーナー様もお客様になりますので、相場より高い金額で査定する恐れがあります。


つまり、現実的で厳しい答えではなく、聞こえが良く当たり障りがない回答しか得られない可能性が高いのです。


そこで、賃貸専門業者と一番密接な関係にある管理会社を利用して現在所有している物件や購入検討物件の賃料査定を依頼するという方法がありますし、当社としてもオーナー様にそれを勧めています。


確実に入居されるであろうと思われる家賃査定を行い、その上で利回りを再計算してから、物件購入の判断を下していくことで、賢明な不動産投資ができるのです。

また入居を促進するための費用として「広告料」と呼ばれるものがあります。札幌の賃貸市場の商慣習で、賃貸専門業者へ成約時にお支払する手数料になります。


本来、宅建業法においては上限として、成約された場合に、借主から家賃の半分、貸主から家賃の半分、の合計家賃ひと月分が賃貸業者に入ってくることになっています。


しかし入居者獲得の手法として、賃貸専門業者に対して「広告料」という名目にて、その料金を数ヶ月分上積みして紹介依頼をするケースが多くなってきております。


法律上では、家賃のひと月分までは賃貸専門業者に入ってくる仕組みになっていますが、それでは「決まらない」ということで、「宣伝広告」するからその分の費用をいただきたいという体裁になっています。


その宣伝広告というのは、WEB掲載や雑誌掲載、それから店舗内において貼り紙をしたり、お客様に対して資料を提示したりするなどの費用だと言われてします。


実際にかかった費用のことに限定しているわけではありません。


ただ、古い物件や条件的に厳しい物件になってくると、「広告料」が明らかに増えていき、3ヶ月分、4ヶ月分というのも珍しくなくなってきております。


この「広告料」の査定についても、家賃査定同様に、賃貸専門業者は直接オーナー様に対してはっきりした金額について回答をするとは期待できません。


やはり管理会社を活用するのが正確な相場を知ることへの早道になるでしょう。


以上の話を総合してみると、各エリアの正確な家賃相場と「広告料」を把握することが非常に重要であるということ、さらに効率良く「広告料」を活用して賃貸専門業者が斡旋できる体制をつくることが、入居者獲得への大事なポイントであり、不動産投資成功への方策だと言えるでしょう。