動き出せ⑥ | NO MORE 伴侶泥棒!

NO MORE 伴侶泥棒!

ある日、ひょんなことから、上司の不倫の証拠を握ってしまった私と
やまちゃん先輩の苦悩?の日々を綴ります。
いや~、不倫って本当に周りに迷惑です。
公害のなにものでもないよ。そんな不倫なんかやめちゃいな!

先に、いつもの待ち合わせ場所にたどりついて


お気に入りのカフェラテを注文する。


田辺さんの話によると、


千賀子さんは もうすでに弁護士を雇ったらしい。


まだ、それを知らない耕作は、のんきに構えているようである。


やり直そうと、メールや電話で訴えてくるらしいが

その割には、会社での態度がいまいち煮え切らないなと 私は感じる。


「離婚」という方向に進む手助けをしてしまったようで

それが、この先最上の結果だったとしても

幼い娘さん二人のことを考えると、

やはり自分たちのしたことが 正しいかどうか・・・

これで良かったのかどうか

心の底で悩む自分がいるのも、確かなのである。


「お~つかれサマンサ」


やまちゃん先輩の登場である。


いつものことながら、姿と言動が一致しない先輩だ。

この上なく、綺麗な容貌を持っているのに、 発言は完全に、おやじだ。


「ケーキも食べようよ。 腹が減っては戦ができぬ~」


ひゃひゃひゃ、と変な笑い声をあげながら、 メニューを渡してくる。


「先輩、ケーキ好きですね。 うらやましいです。そんなに食べて太らないの」


ここを使うと、糖分が必要で~と

自分の頭を指しながら、先輩は言う。


いかにも、上機嫌だ。

こういうときは、調査がすごく上手くいったことに違いない。


私は、さっそく切り出した。

「で、例の研修をしている企業に知り合いはいたんですか?」


先輩はピースサインを出した。

「今回はちょっと苦労したよ。直接の知り合いにはいなくてさ。 

研究室の先輩の知り合いっていうちょっと間接的な人を 紹介してもらったよ。」


「さすがですね。それで結果は・・・?」


黒もいいとこ。真っ黒だよ。 

麗子ちゃんお手柄だね。 っていっても気分悪いわよね~ 

私たちが一生懸命稼いだ会社の金横領してるんだもん。」


おもむろに、バックから紙を出した。 メールのコピーのようだ。


「良かったよ。あの会社、研修の登録はキャンセルでも 

キャンセル履歴として顧客ごとの管理してるみたい。 

ペース的には二回に一回くらいの割合でキャンセルしてるね。」


「のんのん先輩もですか?」


「もちろん」  


と言ってもう一枚紙を出した。  


私はその紙を覗き込みながら、まさかと思ったことが  

現実になってしまったことに軽い衝撃を受けた。


「もしかして・・・とは思ってましたけど ショックです。」


「ほ~、相変わらず性善説派だね~ 

平気で人に嘘をつくような卑劣な奴は 

このくらいやってるだろうって 

私は、反対にさもありなんって納得しちゃったよ。」


「そう言われればそうですけど。」


「さてと、この後の仕事は田辺さんだね~ 

うちらが、これ経理に持っていって調べてくださいっていうのも変だし。」


「そうですね・・・ でも、田辺さんがいてくれてよかったです。 

私たちじゃ、この事実を掴んだところで 

どう持っていくかでまた二の足を踏んでましたもの。」


「要するに悪いことは、そうずっと続けられないってことだよね。  

私たち三人が出会ったのも  

神様の思し召しってやつじゃないの?」  


そう言うと先輩はにやっと笑った。