こんにちは、
日本で一番ホーセンブースの商品が揃っているK-PROJECT通販サイトの店長です。
今回は、躍進を続けるホーセンブースの特徴とジュエリー制作に対するアプローチについて、
これまでの議論を整理したいと思います。
それでは始めましょう。
ホーセンブースの概要
ホーセンブースの創設者兼チーフデザイナーのロバート・キース(左側)とビジネスパートナーのケザーパーカー
ホーセンブースは、ロスアンゼルスを拠点としてビジネスを展開するファインジュエリーブランドです。
ホーセンブースの創設者はロバート・G・キース(Robert G Keith)で、彼はホーセンブースのクリエイティブディレクター
でもあります。
ロバート・キースはもともとプロスケートボーダーを目指していましたが、フォトグラファーへ転向し、
その後、今のクリエイティブディレクターになったという異色の経歴の持ち主です。
ブランド立ち上げのきっかけは「フォトグラファー時代に撮影用にアクセサリーを集め始めたら、
どうやって作るのかと気になったところから始まった。最終的には“作りたい・作ろう”と
自然と思えるようになったから」だと言っています。
ロバート・キースがデザインするジュエリーは、既成のジュエリーデザイナーにはない新鮮な魅力に満ちていて、
撮影現場で出会うセレブ達の間でまたたく間に評判となりました。彼は写真家としてキャリアをスタートさせたので、
視覚的に何が機能するかを知っていて、男性と女性を美しく見せる方法を知っているのです。
スター達に、彼が愛されているのも不思議ではありません。
ロバート・キースが作るジュエリーがいかに人の心を掴んだかについてのエピソードの一つを紹介します。
キースが自分用に指輪を制作して、それを付けて初めて外出した時のことです。スターバックスでコーヒーを
飲んでいたら、客の女性の一人が近づいてきて、キースの指輪に大きな関心を示してきました。
自分の作った指輪が生まれて初めて売れたのは、このスターバックスの中だったのです。
ちなみに、値段は3000ドルでした。
ロバート・キースはまた人が真似をしたくなるような魅力を持っている男で、彼が身に着けているジュエリーを見て、
ホーセンブースの商品を欲しがる友人たちが続出するようになったということです。
ホーセンブースの転機は、バーニーズニューヨークから販売契約をしたい、と声をかけられたことから始まります。
その後、著名な個人やブランドとのコラボを積極的に行い、ブランドは順調に成長していきます。
英国現代アートの巨匠であるダミアン・ハースト、著名なブランドであるニューバーク(Newbark)やブシェミ(Buscemi)、
ラッパーの第一人者であるジェイーZ、そして最近では同じLA発ファインジュエリーブランドであるスピネリ・キルコリン
とのコラボをことごとく成功させ、飛ぶ鳥を落とす勢いのブランドになっていくのです。
ホーセンブースの店舗
サンタモニカにあるホーセンブース本社
ホーセンブースの成長の状況を把握するために店舗数を見てみましょう。
現在、ホーセンブースの店舗はカリフォルニア・サンタモニカにあるアトリエを中心として世界中に広がっています。
米国では、カリフォルニア州にサンタモニカの主力店舗を軸に11店舗、ニューヨーク州に5店舗、テキサス州に4店舗、ハワイに3店舗、フロリダ州に3店舗、コロラド州に2店舗、アラバマ、ジョージア、コネチカット、オレゴン、ミネソタ、ニューメキシコ、ミシガン、ペンシルバニアの各州に1店舗があります。
米国以外では、ロンドン、パリ、ベルリン、タイペイ、香港、カナダのトロント、ソウル、チューリッヒ、メキシコ、シンガポール、それに日本に店舗があります。
米国以外では、店舗数は日本が群を抜いています。
大阪阪急うめだ直営店や伊勢丹新宿店をはじめ、RON HERMAN、RHC RON HERMAN、WISM、ESTNATIONなどの人気セレクトショップでも取り扱いがあり、合計すると42店舗でホーセンブースの商品が販売されています。
ホーセンブースの特徴
ホーセンブースは、他のブランドと際立っている特徴をもっています。すなわち、1)セレブ達の絶大な支持を
得ていること、2)16世紀の大航海時代を背景にして、アンカーチェーンを表すトライリンクをトレードマークに
しているだけでなく、ジュエリーの不可欠な構成要素になっていること、3)それにクラフトマンシップに基づく
素材と手作りの対する強いこだわりです。
幅広い層のセレブ達の絶大な支持
ホーセンブースの18K YELLOW GOLD QUAD-LINK RINGの指輪をしたベッカム
ホーセンブースの特徴の一つとして挙げられるのは、幅広い層のセレブ達の絶大な支持を得ていることです。
今のところ把握しているホーセンブースを愛用する芸能人・有名人は以下の通りです。
日本人では、木村拓哉、岩田剛典、東幹久、山田涼介、登坂広臣、今市隆二、田中将大
新木優子、木下優樹菜のような人たちが愛用者と言われています。
しかし、欧米のファンのレベルはすごいですよ!
エルトン・ジョン、デビッド・ベッカム、トム・クルーズ、カ・アルバ、リアーナ、
ニコール・リッチー、ブラッド・ピット、マドンナ、ジェシカ・アルパ、ハイディ・クルム、
ケイティ・ホームズ、スヌーブ・ドッグ、カニエ・ウエスト、メアリー・ケイト・オルセン、
ヴィクトリア・シークレット、ジャスティン・ビーバー、キャメロン・ディアス、ジェニファー・ロペス
ケイト・ハドソン、ブルーノ・マース、エミリー・オハラ・ラタコウスキー、ジョニー・ロットン、
クエンティン・タランティーノ、オバマ元大統領夫妻・・・・・
錚々たる人たちですね。面白いのは、スポーツ選手、俳優、ミュージシャンなどに交じって、
オバマ元大統領夫妻もホーセンブースの顧客リストに名を連ねていることです。
もともとホーセンブースが有名になったのはリアーナの影響だと言われています。
キースはロサンゼルス育ちで、フォトグラファーをしていたこともあり、ハリウッドにも出入りしていました。
ある日、映像監督の友人からリアーナ(Rihanna)のミュージックビデオ撮影の見学に誘われたときのことです。
キースがジュエリーを持って駆けつけたら、その場でリアーナが2ピースを購入したのです。
そして、その翌日からリアーナがそのジュエリーを毎日着けてくれたことで一気にブランドが
広まっていったそうです。
ホーセンブースの指輪を身に着けたリアーナ
16世紀の大航海時代の遺産への一貫した回帰
ホーセンブースのジュエリーを理解する上でカギとなるコンセプトを、ロバート・キース自身が語っています。
それは、「ヘリテージと一貫性」です。
ロバートキースは、子供の時に曾祖父の所有物でいっぱいになっているトランクで白黒写真を発見しました。
キースの先祖が船長として、16世紀の大航海時代に貴金属や宝石を運んでいたオランダの商船の写真でした。
写真の中で、大きな白い文字で左舷と右舷の両方に印刷された船の名前は、HOORSENBUHSでした。
船体とアンカーチェーンの巨大さは、キースに消えることができない印象を与えました。
「壮大な航海のすべての伝承が呼び起こされ、すぐに私は画像に衝撃を受けました」と彼は言っています。
「貴重で美しいものの探求と、他の世界の探査には、神秘的な何かがあります。」
30代でユニセックスジュエリーの会社を作ることに決めたとき、彼は家族の船乗りのルーツに目を向けました。
会社名はオランダ商船の名から取り、ホーセンブースのトレードマークであるトライリンクは、
そのアンカーチェーンから着想を得ています。
彼はまた、1970年代の厚くて重いジュエリー(コジャック刑事の俳優Telly Savalasが着用した鎖のような)からも
インスピレーションを得ました。
1970年代の厚くて重いジュエリーの影響か、最も繊細なネックレス、カフ、指輪、イヤリングでさえも
重量感のある美的感覚を重視しました。
しかし、Hoorsenbuhsへ最も影響を与えたのは、商船のアンカーチェーンを表すトライリンクパターンで、
彼がロサンゼルスで作ったハンドメイドの作品の多くに組み込まれたのです。
キースは言っています。「ホーセンブースのメーカーマークは引き続き刺激を与えてくれます。
それは一貫性を生み出すのに役立つので、私はいつもそれに戻るようにしています。 」
クラフトマンシップに基づく良質の素材と職人のハンドメイドに対するこだわり
ホーセンブースでは大量生産はしません。良い素材を使い、職人によるハンドメイドのジュエリーの制作
が基本方針です。
「商売っ気を出すよりも、クリエイションにこだわって、自分が本当に納得したアイテムだけを販売したい」
と話すキースは、試作品を作るとしばらく寝かせ、販売に最適なタイミングを見極めることにしています。
大量生産せずにこだわり抜いたアイテムだけを販売するスタイルを尊重しているのです。
また、ホーセンブースのジュエリーには、ゴールドやシルバーなどの貴金属、本物のイタリアンレザー、
カナディアン・ダイアモンドなどハイクオリティな素材が使われています。
決して華美ではないけれど、確かな技術と素材を使用したいという、ブランド志向の強いジュエリーへの
こだわりがうかがい知れます。
これらのホーセンブースのジュエリーが持つ特徴こそ、本物志向の強い顧客たちの絶大な支持を得ている
主な理由と言えましょう。
ホーセンブースのアプローチ
トライリンクのモチーフを中心にブランド展開
ブランドの成功は、ホーセンブース船のアンカーチェーンに触発された、一目で分かるトライリンクのモチーフ
を中心に展開されていることが寄与しています。
キースはこのモチーフに忠実であり続けており、今やブランドは忠実な支持者、協力者、コレクターを擁する
世界的な広がりを持つ信者を有しています。
カニエ・ウエスト
新しく生まれ変わる
但し、ホーセンブースは成功体験にはこだわりを持っていないようで、常に新しいものを創造しようとしています。
これまで、トライリンクのモチーフは改定を繰り返され、数限りなく生まれ変わってきました。
例えば、18Kイエローゴールドにダイヤモンドを散りばめたDame Tri-Linkリング、あるいは
ダイヤモンドブリッジ付き指輪は、ホーセンブースのクラシカルなTri-Linkリングをアップデートしたものです。
18Kローズゴールドのクアッドリンクリングは、リンクを超大型化し、シリーズの中で最大かつ最も堅牢な
ものとなっています。
旧式となった18金のホワイトゴールドにダイヤモンドが付いたファントムクリック・リングは、透かし彫りの
ファントムリングとダムトライリンクを組み合わせることによって、単品または個別に着用できるようにしたものです。
透かし彫りのファントムリングとダムトライリンクを組み合わせたファントムクリック・リング
また、ホーセンブースは、他のブランドや著名人とコラボするたびに、新しく生まれ変わっている
ようです。下の画像は、昨年に発表されたスピネリ・キルコリンとのコラボ作品の一つですが、
これまでのホーセンブースの製品とは全く違うものと思えるほど大胆に変身しています。
変化を続けるホーセンブース
最後に
いかがでしたか?
熱狂的なファンに囲まれながら、急速に飛躍しているホーセンブースの特徴を描くことができて
いるか、少し不安です。
実は、この記事はまだ完成していなくて、キースの創造的破壊に関するアプローチについては
取り上げていません。まだ、私の理解が不足しているからです。彼の最近の作品も含めて、
十分に理解できるようになってから、記事にしようと思っています。今回の記事は、今の時点での
ホーセンブースとその商品に対する私の理解を整理したものです。
どうやら、ロバート・キースはとんでもないレベルに達しようとしているかもしれませんね!