こんにちは!
日本で一番ホーセンブースの製品が揃うK-PROJECT通販店舗の店長です。
今回はホーセンブースのジュエリーのメインな素材であるスターリングシルバーについて、意味、歴史、特徴、手入れの方法及び保管方法についてお話いたします。
スターリングシルバーとは?
スターリングシルバーとは、含まれる銀の割合が92.5%の銀合金のことを言います。
銀は、純度100%の状態の時は柔らかくて、加工や形状維持が難しい金属です。そのために、銅や他の金属を混ぜるのです。その際には、残りの7.5%は銅や他の金属が含まれます。
純銀以外の7.5%未満の含有率の金属を「割り金(わりがね)」と呼びます。この割り金によって、スターリングシルバーには純銀とは異なる、落ち着きのある光沢感や、やわらかくて温かい雰囲気が生まれてくるのです。
スターリングシルバーには、このように、少なくとも92.5%純銀が含まれていなければなりませんが、他の7.5%は何の金属でもかまいません。通常は、合金として銅が用いられます。何世紀にもわたる実験の結果、銅は銀と最も相性が良く、その美しい色を損なわないことがわかりました。
ここで注意すべき点は、「純銀」の定義は国によって違うということです。日本では「純銀」という場合、混じり気のない銀のことを指すことが多く、純度100%でないと「純銀」とは呼びません。しかし、イギリスの法定では、92.5%以上銀が含まれている製品は純銀として扱うように決められています。
銀とスターリングシルバーの歴史
銀は金と同じく紀元前3000年ごろには人間に用いられていました。
但し、当時は金よりも銀の方が圧倒的に高価だったのです。金は産出した後に、そのまま加工できましたが、銀はそのまま加工できる自然銀をみつけることが困難で、精錬が必要だったのです。
紀元前3000年ごろのエジプトでは金に銀のメッキを施していたと伝えられています。それぐらい銀の価値は高かったのです。しかし、精錬の技術が向上するにつれて、産出量の多い銀の価値は金と比べて下がっていきます。
スターリングシルバーの起源を遡ると銀貨にたどり着きます。760年頃から、後の銀貨の基礎となる「銀ペニー」がイギリスで使用されるようにななります。 その後、ノルマン朝初代の王、ウィリアム1世(在位1066~1087年)がこのペニーの使用を継承して、純度925/1000の銀を本位として採用しました。
ちなみに、スターリングシルバーの「スターリング」の由来は、銀貨を鋳造していた「スターリング家」に由来すると言われています。
スターリングシルバーの特徴
スターリングシルバーは、適度な硬さがあり、加工がしやすいことから、扱いやすいシルバーです。また、スターリングシルバーは軽量で耐久性があることから、職人の間で最も人気がある合金の一つだと言われています。さらに、シルバーの色の美しさが損なわれないなど、メリットが多いことから、たくさんのブランドで広く使われています。
一方で、スタッド、スターリングシルバーで作られたピアスは、他の金属に比べて軽く、快適なつけ心地です。そのため、スターリングシルバーは消費者にも普遍的な人気があります。
さらに、スターリングシルバーは、他のシルバーの合金と比べても、変色しにくい特徴がありますが、しっかりとお手入れをすることで、長く愛用できます。
シルバーと変色
このように、スターリングシルバーのメリットは多いですが、シルバーは変色しやすいので、付着した汚れを放置しておくと、輝きが鈍くなることや、くすみの原因になることに違いはありません。
そのため、普段はこまめに拭いてあげる必要があります。
また、シルバーは硫黄に反応して変色してしまう性質があるので、温泉などでは注意が必要です。
ハイターなどの薬品で変色してしまったものは、戻すことができないことも留意すべき点です。
ヴィンテージ・アンティークの銀製品においては、経年の結果真っ黒になってしまっているものもありますが、そうしたものは、多くの場合適切なケアをすると輝きを取り戻すことがあります。
スターリングシルバーの手入れの仕方
汚れや錆をこまめに落とす
シルバージュエリーは汚れを定期的に落とすよう心掛けてください。
また、空気中の硫黄や硫化水素に触れることで自然にできる銀の変色を防ぐためにも、お手入れは大切です。
シルバーのクリーニングには錆びの除去専用のポリッシュと柔らかい布をお使いください。錆びの除去に適したシルバー用の研磨剤、液剤、布などは、ホームセンターや手工芸店でお求めになれます。
錆びは現れたときに落とすのが一番簡単ですが、シルバージュエリーを頻繁に身に着けることが錆びの広がりを防ぐ最適な方法です。
シルバージュエリーは定期的なクリーニングによって錆びを防ぎ、光沢と煌めきを保つことができます。
スターリングシルバーの黒ずみ落としの方法
シルバーの黒ずみの原因は硫化反応です。シルバーには、硫化ガス(硫黄ガス)と化学反応を起こして硫化銀の皮膜を作る性質があり、この硫化銀の皮膜が厚くなるにつれて黄色~茶褐色~黒への変色がみられるようになります。
一方、シルバーは硫化により真っ黒に変色してしまっても、通常は内部まで硫化反応は起こりません。そのため、シルバー専用のクリーナー等でメンテナンスを行うことで、輝きを取り戻すことができる。
シルバーを手入れする製品は、液体タイプ、クロス(布)、ローション、スプレータイプなどがあります。
汚れや黒ずみを簡単に取るには、浸けるだけの液体タイプのシルバー磨きが便利です。10秒ほどシルバーをつけておき、洗い流すだけで黒ずみをとることができます。
スターリングシルバーの保管方法
シルバー製品が黒ずむのは空気中の硫黄と反応するからです。スターリングシルバーは純銀と比べて黒ずみの進行が遅いとはいえ、少なからず黒ずんできます。
空気の遮断と個別の保管
空気を遮断し完全密封して保存しておくなど、できるだけ黒ずみの進行を遅らせることは可能です。
また、シルバー製品同士を同じ袋に詰め込んでしまうと、お互いがこすれ合って傷をつけてしまうので注意が必要です。
最後に
100年も200年も前に作られ、大切に使われてきたスターリングシルバーは手入れをしっかりとすれば、長期間、使って楽しむことができます。
スターリングシルバーを使ったホーセンブースのジュエリーを手にしながら、それが作られた背景や使われてきた悠久の時に思いを馳せれば、より素敵な時間を過ごすことができるのではないでしょうか。