Kオケのオーボエパート9期生たる何某はパート紹介を目前にしてある書物の一節を思い出していた。
その書物とは吹奏楽経験者にこそ大いなる共感を持って受け入れられる、所謂「吹奏楽のあるある」本であった。
「…オーボエは屡々クラリネットと間違えられる…」
オーボエを希望する新入生が間違えてクラリネットパートに編入されてしまう万一の可能性を危惧した何某は同じく9期オーボエパートの団員Aにオーボエの特徴、もとい長所を挙げてもらうことにした。
そしてこれにはオーボエの美点をこの度広報することでゆくゆくはKオケのオーボエ希望者が増えるやもしれぬという空想に似た何某の魂胆もあった。
「音色」
何らの前置きもなく質問をかけられた団員Aの顔には明らかな困惑の気色が見て取れたが、回答はこのようなものであった。
ヴァイオリンにはヴァイオリンの音色があり、オーボエにはオーボエの音色がある。それこそがオーケストラにおいて第一の長所ではないか。
「見た目がお洒落」といった愚答を一瞬でも思いついた何某は自分を羞しく思った。
畢竟、何某はこう考えた。
『今年から団器としてイングリッシュホルンが購入される(はずの)Kオケオーボエパートは更なる飛躍にむけて今年も新たな団員を募集しております!
日々上の様な感じで(どんなだ)お互いを啓発したりしなかったりするオーボエパートですが現在の団員はほんの三人!
オーボエは曲のソロを沢山吹ける楽し~い楽器でもありますよ︎
団員一同オーボエの音色を愛する方々をお待ちしてますすすすす!(切願)٩(●˙▿˙●)۶』

オーボエ9期。
オーボエパート写真は常に直立。
8期の先輩は惜しくもこの日は休みであった。