2日間で、3人から人身事故があったと言われた。
皆、異なる路線。
昨日は父親と食事に行くはずだった。
しかし、人身事故によって無残に流れて行った。
その時、父親は先頭車両に乗っていたそうだ。
音も聞こえたそうだ。
何故に人は、飛び込んで行くんだろう。
そして今日、また一つ尊い命が奪われた。
夜更けのサンクス。
そのコンビニの向かい側を歩いて家路に向かう途中
母校の前を通り過ぎようとした時だった。
道路に倒れている
ちいさな ちいさな、身体。
暗闇の中でも、灯りによって照らされる赤い色。
通り過ぎようとする僕の足を止める
何台もの車。
その度に、僕は振り返る。
小さな身体は、痕が残らずに眠っている。
僕は耐え切れなくなって、
左手で小さな身体を抱え上げた。
まだ、温かかった。
少し前までは、きっと元気だったに違いない。
これからの人生は楽しいものになってゆく。
そう思うと、悼まれない気持ちになった。
さて、ここから問題が発生する。
この後はどうしよう…。
考え抜いた挙句、草の中に眠らせる事にした。
寒いけどごめんな…。
20センチ程のこの子にとっては、
少しは風を凌ぐ事が出来るかなって。
俺にはこうしてやる事しか出来ないんだ。
命は儚いものなり。
どんな形であれ、絶ってしまうと寂しさを感じる。
左手には今でも、温かい感触が残っている。