「なんでお前がここにいるんだ…」
---
10月某日、ある一通のメールが届いた。
舎弟扱いされているアラフォーのお姉様より
「あなたにイイ子を紹介してあげるよ!」
年齢は僕より一つ上らしいが、他の情報はない。
とりあえずまた日時や場所などはまた後日との事だった。
飲む度に「あなたも早くイイ子を見つけなさいよ」
と言われる始末。
んな事言っても、出会いはタイミングでしょうに。
毎度言われる「あなたにイイ子を紹介してあげるから」
特に期待もせず、そんな言葉は流していた。
3年程前、僕は大恋愛の末、大人の事情で結婚寸前の一つ上の彼女と別れた。
予定では今頃子供は3人はいただろう。
未練はないが、まだ彼女以上の人とはめぐり逢えていないと思う。
人生はうまくは行かないと言う事か、兄弟で最初に結婚する予定だったが
兄と妹は結婚し、僕は取り残されてしまった。
それから数日後、呼び出しがかかった。
場所は千葉県某所。
仕事を逃げるように脱出するも、道を間違えて10分遅れで到着。
紹介料?としてタバコ買って来て…と。
目的の居酒屋に到着し、窓越から席を見つける。
アラ姉様と、その横にもう一人。ショートに近い髪の長さが見えた。
席に向かい、アラ姉様が合図をする。
僕はその子と目が合った。
「え…」
僕は目を疑った。
「なんでお前がここにいるんだ…」
僕の頭の中で、福山雅治の「Herat」が流れていた。
…続く。