ギロッポンの夜 | 音楽業界の裏側で無謀に働く、凡人のブログ

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週刊 KONDAYという名の下、週に1度は更新したいと思います。

「よし、じゃあこれからニューハーフのショーに行こう!」

先輩から突然の話が出た。
僕を含めた周りの4人は固まった。

毎月恒例の飲み会。
1次会の居酒屋、2次会のメイド居酒屋が終わる頃
時は12時を回り、終電をチラつかせていた時間帯。

彼らは、初体験のメイド居酒屋の雰囲気に飲まれ、堕ちていった。
きっと通い妻になるだろうと。
Sの僕はきっと店員意嫌われてるが。
接待は完璧だった。
後輩に電話してまで場所を聞いた価値があったぜ。

居酒屋を奢られた僕らは、断る権利はなかった。
しかし、行く前に見せられた写真では
乗る気には全くならなかった。

AM1:00

いざ、ギロッポンへ出動する。

着いたら早速ショータイムが始まった。
まさにイリュージョーン!だ。
ダンサーを彷彿させるような軽やかなダンス。
男性も男らしい役もあり、それはまさに宝塚歌劇団のよう。


隣で先輩が呟く。

「あの子やっばいかわいくない?」



僕の目に飛び込んで来たのは…


20歳(推定)くらいの小柄な子。


ビールを噴出してしまった。


僕には自負がある。
目は間違いはないと思っている。
これはきっとビールに大麻が入っているんだ。
幻覚症状に陥ってるんだ…と。
確かに、明らかにギャグのような人もいるけど
しかし、なんだあれは…
さっきまでいたメイドよりも数段にレベルが高いっ!
ニューハーフってのは、こんなにもレベルが高いのか!?
あんな子だったら、お持ち帰りされてもいいと思った。
本気で思ってしまった。
握手した手も、喋った声も完全に女性だった。
人間はここまで変身出来るのですか!?

いや、きっと違う。
シェンロンに頼んだに違いない!!
でも、ダメだ。
「ホレてまうやろ!!」
そう六本木の中心で愛を叫びたくなる。

僕含めて、周りは完全に雰囲気に飲まれた。



ショーが終わり、僕らはまだ余韻に浸っていた。

出演者が挨拶に回って来る。




そこで、衝撃の事実が明らかになった。





「最近、ニューハーフが社会進出して来たので
 応募してるく子が少なくなっちゃったのヨ。
 なので、数人は本物の女の子なのヨ」


その瞬間、我に返った。
そう、さっきの子は本物の正真正銘の女の子だった。
僕は内心ホッとした。