比江島の奇跡からパリ五輪へ　日本バスケが目指すアジア最上位

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比江島の奇跡からパリ五輪へ　日本バスケが目指すアジア最上位

日本バスケ界にとって歴史的な一戦となったベネズエラ戦

格上の相手に苦戦しながらも、最後はベテランの活躍で見事に逆転した日本チーム。

その試合の模様と反響を振り返りながら、パリ五輪への期待と不安を探ってみたいと思います

比江島の奇跡　3点シュートで流れを変えた

試合は序盤からベネズエラのペースで進んだ。日本はディフェンスで粘りながらも、オフェンスでは相手のプレッシャーに苦しみ、シュートが決まらなかった。特に富永やホーキンスといった主力選手が不調だったことが痛かった。第4クオーターに入ると、ベネズエラはリバウンドやパス回しで優位に立ち、一時は15点差まで引き離された。

ここで日本チームを救ったのはチーム最年長の比江島だった。ファールトラブルで第3クオーターはほとんど出場できなかった比江島だが、第4クオーターでは3本の3点シュートを連続で決めてチームに勢いを与えた。特に残り2分を切ったところで馬場のスティールから比江島がレイアップシュートを沈めて逆転した場面は感動的だった。その後も比江島は相手の反則を誘って3点プレーを成立させるなど、終盤の主役として活躍した。

SNSでは比江島への称賛の声が多く上がった。「比江島が神」「比江島選手のスリーポイントすごすぎ」「比江島の4ファールとは思えないような動きと神がかった3Pは息止めて見てしまった」といったコメントが見られた。私もその一人だった。私は以前から比江島のファンで、彼のプレイスタイルやキャラクターに惹かれていた。今回の試合では、彼の経験や技術だけでなく、精神力や闘志も感じられた。彼はチームメイトやファンに勇気と希望を与えたのだと思う。

渡辺と河村の安定感　日本バスケの顔としての責任感

比江島の活躍が目立ったが、日本チームには他にも頼もしい選手がいた。渡辺と河村だ。彼らは日本バスケの顔として、NBAやヨーロッパで活躍する選手と渡り合った。渡辺はチームトップの22得点を挙げるとともに、リバウンドやアシストなどでチームを牽引した。河村は第4クオーターに重要な3点シュートを決めるなど、勝負強さを見せた。彼らは試合中も声を出して仲間を鼓舞し、リーダーシップを発揮した。

彼らは日本バスケの将来を担う若手選手だが、同時にパリ五輪出場へのプレッシャーも感じているだろう。特に渡辺はNBAのメンフィス・グリズリーズでプレイする日本人初の選手として、多くの注目を集めている。彼は試合後のインタビューで「自分たちがやりたいことができていない」と自己評価を下げた。「ドイツに完敗してしかも客席がガラガラという何とも恰好悪いスタートから良くここまで盛り返したと思う」というコメントがあったが、渡辺はそんな甘い言葉に甘えないタイプだ。彼は常に自分に厳しく、高い目標を持っている。

私は渡辺について取材したことがあるが、彼は非常に真面目で謙虚な人だった。彼は自分の成功を誇らしげに話すことはなく、むしろチームや仲間のことを気遣っていた。彼は日本バスケの顔としての責任感を強く持っているのだと思う。河村も同じように、自分のプレイよりもチームの勝利を優先する選手だ。彼らは日本バスケの精神的支柱として、チームを引っ張っている。

パリ五輪への期待と不安　アジア最上位を目指す

ベネズエラ戦で見事な逆転勝利を収めた日本チームだが、まだパリ五輪出場は決まっていない。2日の最終戦でカボベルデに勝てば文句なしに出場権を獲得できるが、負ければ他カードの結果次第でアジア最上位が決まる。開催国枠ではなく自力で五輪出場を決めれば、76年モントリオール大会以来48年ぶりの快挙となる。

ファンからは「こんなに興奮する試合はめったないぞ」「めちゃくちゃ興奮したぁー」という声が聞こえてくる。私もその一人だ。私は子供の頃からバスケットボールに夢中になっていた。私は高校時代にバスケ部に所属していたが、当時は日本のバスケは国際的に見ても弱小だった。五輪に出場するなんて夢のまた夢だった。しかし、今は違う。日本のバスケは世界に挑戦する力を持っている。それは渡辺や河村といった海外で活躍する選手だけでなく、国内で磨きをかける選手や指導者、そして応援するファンの努力の賜物だと思う。

しかし、まだ安心はできない。カボベルデは世界ランキングは低いが、決して侮れない相手だ。彼らは1次リーグでイランに勝利し、2次リーグでもカナダに善戦した。彼らの特徴は身体能力の高さとスピード感だ。日本は彼らの攻撃に対応できるか。また、自分たちのオフェンスをどう展開するか。それが勝敗のカギとなるだろう。

私は日本チームに期待と不安を抱きながら、最終戦を見守りたいと思う。パリ五輪出場を決めることができれば、日本バスケ界にとって大きな歴史的快挙となる。その瞬間を見逃したくない。