馬刺しの店からの帰り道、泉澤大悟(田中圭)は福浦小春(土屋太鳳)に「見返してやんなきゃ」と言います。
私はそれを聞いて、「見返す」ことを行動原理に大悟が40年の人生を歩んできたのかと哀しくなりました。
そして、小春のみならず、小春の父・正秋(石橋凌)にも「大ちゃん」と呼ばれることを望んでいるところから、子どもの頃に欠落していた暖かな家庭に飢えているように思いました。
小春は母親に捨てられたかもしれませんが、大悟と違ってまずまず暖かな家庭に育ったように見受けられます。
ただし、正秋にはいかにも「昭和の親父」らしいセリフがあります。
「じゃ、小春をもらってくれない?」
最近はほとんど聞かなくなりましたが、かつては当たり前のように女性の年齢がクリスマスケーキに例えられていました。
小春の年齢設定を26歳にしたのは、渡部亮平監督が、そのあたりも計算に入れてのことではないかと思いました。
計算と言えば、ここ福浦家でヒカリ(COCO)はすでに「いーえないんだー♪ いえないんだー♪」と歌っているんですね。
小春を囃し立てた時に「いーけないんだー♪ いけないんだー♪」と歌い出しても唐突感が無いのは、そういう伏線が張られているからだと思います。
いや、しかし、あのシーンはマジでムカついた!
COCOちゃん上手すぎますって!!