
解答作成日:2015年4月18日
テーマ:隣接3項間漸化式
履修学年:なし
p,qを定数(虚数も含む)として、
a(n+2)=-(p+q)a(n+1)+pqa(n) の関係を満たす隣接3項間漸化式は、以下の2通りの変形が可能です。
a(n+2)+pa(n+1)=-q{a(n+1)+pa(n)}
a(n+2)+qa(n+1)=-p{a(n+1)+qa(n)}
まずは「何の為にこんな変形をするのか」ですね。
これは、a(n+1)+pa(n) と a(n+1)+qa(n)を、それぞれ独立した数列として表す為ですね。
数列のまとまりも、また一種の数列を構成するのです!!
pとqが具体的にどのような値になるのかは、a(n+1)とa(n)に実際にかかる係数次第ですが、実はこの値、整数に限らず、虚数になっても問題ありません!
しかもよく読むと「-(p+q)とpq」……?そうですね、「二次方程式の解と係数の関係」を用いて、二次方程式にこじつけて、複素数の範囲でも求められそうです。
(具体的な手順は、「二次方程式・三次方程式の解と係数の関係」をご覧ください。)
p,qの具体的な値を求めると、かえって式が複雑になってしまいそうですので、それは後回しにして、次の段階ですね。
与えられた隣接3項間漸化式で、a(n+1)+pa(n) と a(n+1)+qa(n)を、それぞれ独立した数列として表すことで、
独立した隣接2項間漸化式が2式作れます。
p'とq'を定数として、
a(n+1)=p'a(n)+q'の関係を満たす隣接2項間漸化式は、以下の変形が可能です。
a(n+1)+q'/(p'-1)=p'{a(n)+q'/(p'-1)}
これもまた、a(n)+q'/(p'-1)を独立した数列として扱えるようになりますね。
このようにして、隣接複数2項間・3項間漸化式を、その漸化式で表される数列に関わる別の数列で表す為に立てる方程式を、特性方程式といいます。
この特性方程式を使い回した結果、本題は驚くほど簡単に…という訳にも行きませんでしたが、少なくとも、一般項を求める目処は立ちました。


本題の解説を優先的にご紹介させていただきましたが、本題で利用した「ド・モアブルの定理」につきましては、追って解説をアップロード致します。