虚数と複素数の定義と基本的性質の利用 | 数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

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中学高校の定期試験問題・大学入試問題・Twitterの数学特化系アカウントで出題された問題・閲覧した方からのご質問まで、幅広く取り扱う方針ですので、
日々の学習や数学的発想・思考力の向上にお役立ていただければ幸いな限りです。

履修学年:高校2年(数学Ⅱ)

数学Ⅰまでに履修した「実数」の範囲では、2乗すると必ず0以上の実数になりますね。
本文でご紹介する「虚数」というものは、2乗しても0以上の実数にならない数を示します。

この虚数を表現するために、2乗して-1になる数をiとして、これを「虚数単位」と定義します。
この虚数単位を使うことで、「2乗しても0以上の実数にならない数」を作ることができます!!

「2乗しても0以上の実数にならない数」とは具体的に…。
2乗すると負の実数になる場合もあれば、2乗してもそもそも実数にならず、虚数単位を使わないと表せない数(これを、「虚数」というのですね。)になる場合もあります。

まずは最低限、「虚数単位iは2乗すると-1になる」ということを知っておけば、他の演算は普通の文字式と同様にできるのです。





ここでちょっと書き忘れましたので、説明を追加します。

「虚数単位iは2乗すると-1になる」
と、いうことはiの3乗は…?

(iの3乗)=i×(iの2乗)=i×(-1)=-i

iの4乗は…?

(iの4乗)=(iの2乗)×(iの2乗)=(-1)×(-1)=1

勘が鋭い方はもう気付きましたね。
iの4乗が1になることを利用して、iの次数を下げることができるのです!!

これを使うと、(iの20乗)=(iの4乗)の5乗=1の5乗=1
鮮やかに簡単になってしまいましたね。

これで、複素数の累乗の過程で、iの何乗が出現しても、iの一次式(もっと適切な言い方をすれば、実数+虚数の定数倍の形)までに変形することが可能です!!
知っているとお得ですよ。