自作数学問題bot @mathquestionakt (問題19) | 数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

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中学高校の定期試験問題・大学入試問題・Twitterの数学特化系アカウントで出題された問題・閲覧した方からのご質問まで、幅広く取り扱う方針ですので、
日々の学習や数学的発想・思考力の向上にお役立ていただければ幸いな限りです。

図のように、正方形ABCDと正三角形ABE、CDFがある。GはAFとDE、HはBFとCEの交点とする。
イ)ΔBCGが正三角形であることを示せ。
ロ)この図形を一筆書きできるか否かを、理由も含め答えよ。



解答作成日:2015年3月19日
テーマ:
①正多角形の性質・合同の証明
②一筆書きの可否
履修学年:①中学2年・②なし(一筆書きの可否を検証する問題ですので、学年を問わず解答可能です。)

まずは(イ)の解説です。

線分AC、BD、CE、BFは本題証明に関係ないので、図面から省きました。
「正三角形」「正方形」この用語を的確に説明できるでしょうか。
そもそも、「用語を的確に説明する」というのは、どういうことか?
各々の断片的な用語から、明らかにできるヒントを把握できるか否かが、用語の理解度のステータスですね。

本題では、「正三角形」と言っている以上、その内角は全て60°、3辺は全て等しい。
「正方形」と言っている以上、その内角は全て90°、4辺は全て等しい。
「二等辺三角形」が分かった以上、その底角(等しい2辺に挟まれた角以外の2角)は等しい。

やはり、言葉の言い回しって、分かりやすさを左右しますね。




Gとは別にG'をおくことで、GとG'の一致から証明がしやすくなる。
このテクニックは、中学校で履修する諸定理の逆を証明する際にも、大活躍・大貢献します。

本題でも、最初に与えられたGだけでは、手がかりが見つかりませんし、
理由も説明できないのに、頭ごなしに「BA=BGである」なんて決められませんね。
(「何となく」「そう見えるから」は証明ではタブーです!!)

GとG'を「比較する」ことで、大きな近道ができるのです。

続いて、(ロ)の解説です。

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一筆書きができるということは、どの頂点から書き始めても行き止まりが生じないことであり、
その為には、「各頂点から延びる辺の本数が『全て偶数』または、『2頂点だけ奇数、後は全て偶数』である。」ことが条件とされる。

具体的には、「全て偶数」の場合、当該頂点から他頂点に移動する回数と、他頂点から当該頂点に移動する回数が等しくなり、各頂点から延びる線分を全て通ることができる。

「2頂点だけ奇数」の場合は、延びる辺の本数が奇数となる2頂点を結ぶ線分を先に通ることで、上述の「全て偶数」の場合と同様に他の線分を全て通ることができる。

しかし題意の図形は、延びる辺の本数が奇数となる頂点が4箇所存在し、
当該4頂点を結ぶ線分をどこを最初に通っても、残り2頂点のどちらかで行き止まりが生じてしまう。

したがって、題意の図形は一筆書きが不可能である。
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一筆書きのルールに「同じ線分は2回通れない」というものがありますので、
行きと帰りの道順がことならなければいけません。
すると、1頂点から5本の線分が延びていると、3回目の往路の後、戻れなくなってしまいますね。
同じような頂点がもう1点だけあれば、先にその2頂点を結ぶ線分を通ることで、全ての頂点において「往復」を余りなく行えます。

本題では、線分ACか線分BDのどちらかがなければ、「2頂点だけ奇数、後は全て偶数」という条件を満たすことで、一筆書きができるようになります。
実際に書いてみて、確認してみましょう。