映画『10万分の1』 | 宮坂香帆オフィシャルブログ

映画『10万分の1』

1127日「10万分の1」が公開しました。

私も初日舞台挨拶に伺わせて頂きました。

平祐奈さん、白濱亜嵐さん、三木監督にお会いするのは去年の3月のクランクアップ以来です。

千紘役/優希美青さん、比名瀬役/白洲迅さん、莉乃の祖父役/奥田瑛二さんとはお会いしたのはこの日が初めてでした。

皆さん素敵な方達でもう別世界の人で、なんか横に居てすみませんって感じでした。


完成版は2月頃にデータでは観せてもらってたのですがスクリーンで観るのは今回が初めて。

大画面で観るとまた感動もひとしおです。

連載中は莉乃達に感情が引っ張られすぎて描くのを途中で投げ出したくなることも沢山あったけれど、こうやっていろんな方達の手で別の形になった作品を見ると最後まで描き切って良かったなと素直に思えました。

何より映画制作に関わった多くの方がこの作品を大事に扱ってくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。

主演の平さんは劇中何度も転ぶため実際に怪我もされてまさに体当たりの演技でした。

特に症状が進行した状態の演技がリアルで引き込まれます。

白濱さんも桐谷の強さの中にある優しさや弱さを演じ分けていてまさに桐谷蓮でした。

鑑賞時は映画の冒頭からこれまでのことを色々と思い出して、様々な場面でうるっときてしまいました。


主題歌の「Star Traveling」、挿入歌の「36.8℃」もとても素敵な楽曲で劇中で流れると更に感極まってしまいます。

この2曲はどちらも映画のために書き下ろされた曲で、前者が桐谷、後者が莉乃の気持ちにリンクしています。

特に挿入歌「36.8℃」のタイトルの意味が気になった方は、ぜひ100000-1.comで眉村ちあきさんのコメントを読んで欲しいです。

YouTubeの眉村さんの公式チャンネルでは10万分の1スペシャルver.MVも公開されているので良かったら見てください。


コロナが流行る中、劇場に足を運んでくださった皆様ありがとうございます。

何度も観たと言うリピーターの方も多くいて驚きました。嬉しかったです。

観に行けなかった方も来年はDVDなど出ると思いますので楽しみにして頂けたらと思います。


病気をテーマにした作品は御涙頂戴と嫌厭されがちですが、日常の当たり前は実は当たり前じゃないんだということが伝わったらなという思いもこの作品を描く動機のひとつにありました。

莉乃と桐谷の当たり前の日常を描いてはいるけれど、それは当たり前ではない日々でもあるんだと。

私自身何度か大病を経験したことで気づいたことでもあります。

世の中にはALSだけではなく他にも沢山の難病があります。

この作品で少しでも多くの方が難病のことを知る切っ掛けになれたなら嬉しいです。

そして、簡単そうでいて難しいことでもありますが、周りにいる誰かに優しさと思いやりを持って接しようと意識して頂けたらと願いを込めて。