漫画『はだしのゲン』の存在は以前から知っていました。
ただ、小学生の頃、クラスの本棚にジブリ系の漫画はあっても『はだしのゲン』はなかったことから読む機会を逃して大人になってしまいました。
本棚にあった漫画はみんなで回し読みしました。
様々な良質な漫画を持ってきてくれたクラスメイトと、それを許可してくれた先生、ありがとうございました。
一度これを読んでみようと思ったきっかけは
広島の教育教材から『はだしのゲン』が削除されるというニュースを見たことからです。
大変有名な作品ですので、読んではいなくても、内容が原爆、戦争に関するものということは知っていたので、削除のニュースに
『なぜ?』
と疑問に思い
全10巻を図書館から借りてきて読むことにしました。
『はだしのゲン』を全て読んでの感想は
細かいものを挙げればキリがないのですが
まず冒頭から強く思ったのは
『ゲンのお父さんが言ってることは正しいやん!』
ということ。
正しいことを言うお父さんは嫌がらせされたり逮捕されたりと大変な目に遭います。
平和を望む人々がそうなってしまう環境は
狂っていると言わざるを得ません。
現代ではどうでしょう。
あまり物事を正しい、間違ってる、などと言いたくはないのですが(宇宙の真理ではないので)
『ゲンのお父さんの言ってること合ってるじゃない。その通りじゃない』
と思いました。
そして、愚かな選択を、さも当然かのように洗脳されて、周りの同調圧力に流されて生きている大勢の日本人のさまは
現代と何も変わらないではないかと感じました。
そう思ってしまう人間はいつの時代もマイノリティーなのでしょうか。
中沢啓治さんがどのようなお気持ちでこの漫画を描かれたのか。
中沢さんが今の世の中、今の日本の現状を見られたらどう思われるでしょうか。そのお心を思うととても苦しくなります。
人類はあの日から、何も変わっていないからです。
同じ過ちを何度も何度も繰り返しています。
意見の違う人間を、狂っている、変人、頭がおかしいと排除しています。
本当にその人の意見は間違っているのでしょうか?
目を覚ますべきは己の心ではないのでしょうか。
ただただ絶望です。
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絶望感だけではありません。
この漫画の素晴らしいところは
強く強く生きていくゲン達に元気を貰えるところです。
そのバランスが素晴らしいと思いました。
『はだしのゲン』は沢山の子ども達にこれからも読んでいって欲しいです。
そして、大人になってしまってまだ読んでいない人達にも読んでもらいたいです。
私は子どもの頃『はだしのゲン』を読む機会はありませんでしたが、
小学校の夏休みの1日だけ登校日というのがあって
その日は全校生徒が体育館に集まって
『平和学習』をするというのがありました。
この『平和学習』というのは退屈するような座学ではなく
戦争に関するアニメを鑑賞する時間でした。
東京大空襲や、学童疎開船の対馬丸など。
色々観せてもらって今でも心に残っています。
あの子どもの時期に、アニメという形で
戦争は一体どんなものなのか、どれだけ愚かなことなのかを教えてくれたことに感謝しています。
『はだしのゲン』は日本人の心に必要な教科書だと思います。
さいごに、広島カープが好きな登場人物の隆太。
広島カープのマスコット【カープ坊や】が
隆太そっくりだなあと思って。
もしかして隆太がモデルになってるのかな?と思いました。
皆さまの日々が穏やかかつ平和でありますように🕊️
✨全てに感謝✨
💞甲斐まり恵💞