RayflowerTOUR 2022-2023Spring Sprout2022.4.12@Electric Lady Land
Rayflowerのライブに行ってきました。
4月に入って
薄着になる日も増えてきたけど、
日が傾くにつれて気温が下がってきた。
風も出てきて、体が冷え切り、
開演してからも
カーディガンを脱げなかったのだけど、
見入っていたら脱ぐタイミングを失った。
熱くて熱くて我慢ができなくなり、
やっと脱げたのが
『Garbera』のギターソロだった。
「Rayflower TOUR 2022
Spring Sprout略して」
「スプスプー!」
ツアー恒例のタイトルコールに
透かさず入るYUKIさん。
ここは本来なら
オーディエンスが声を揃えるところ。
適任はやっぱりYUKIさん
という暗黙の了解と、
何の迷いもなくマイクに向かう
真っすぐさが微笑ましくて、
フロアからクスクス笑う声が漏れる。
Rayflowerが帰ってきたんだ…!
ツアーに出るのが久しぶりで、
荷造りするのに何を持って出ていたのか
考えてしまったという田澤くん、
初見のお客さんに向けても挨拶をされる。
『Bloom Moment』が
2年半ぶりのツアーの1曲目だった。
歌詞によってメンバーが一層引き立つ、
彼らの名刺になる曲。
そのあと
『Real Game』
『Prisoner of evolution』
『Welcome to The Gracious World』
と続き、
心の中で気合いと歌唱を送った。
腕をワイパーのように左右に振ることや
膝を軽く曲げ伸ばしして高低差を作る、
跳ばないジャンプは許された。
気温も体温も急上昇して、
カーディガンを脱いだ後は
『Make A Judgement』で
タオルは持たずに手首だけを回した。
フロア中にタオルが回っている光景を
想像して。
あの景色が見れる日は、
そう遠くない未来に来る気がする。
曲もかっこよくて、
歌詞も強くて大好きなんだ。
至高の景色をまたみんなで
作れる日を待とう。
そして『イニシエ』(だっけ?)で
田澤くんがステージから消えた。
残る4人は演奏を続けるので、
ボーカル不在で進行した。
なにやらトラブルのようなので、
センターから視線を外して
気にしていないよう装う。
田澤くんは一度戻っては
またいなくなり、その後は
ステージ後方を歩いていた。
詳細は後半へ
このツアーのリハーサル期間に
田澤くんは、
『バラード曲中は手を挙げたり
大きく動いたりせず
じっくり聴いていただけると嬉しいです。
しっかり届けたいので何卒よろしくです』
とTwitterに投稿していた。
それを意味ありげに感じたファンは
多かったよう。
全く動いてはいけないわけではない、
リズムをとったりするのはいいと
歌う前に補足していた。
そして、
「これは今回だけじゃなくて、
未来永劫な!」
と言っていた。
これは花キューとのお約束になる。
ドラムが鳴ってたらリズムを取っちゃうので
よかった
その背景には、コロナ禍を経験して、
その詩を書いた頃とは状況は違うけれど、
伝えたいことは今の時代に合うと
強く感じた想いがあった。
このツアーでどうしても歌いたかったと、
バラードセクションに選んでくれたのは、
『Change Your Sight』。
この曲は、
『Brilliant Anthology』の
ツアーで聴いてからは
全曲ツアーの時に1度聴けたぐらい。
ベストアルバムの選曲投票には
入らなくて、
ベストアルバム限定版のUSBメモリ
(過去のライブ音源集)に
収録されただけ。
聴く機会が少ないうえに、
人気投票的なものにも登場しない。
だから人気がないのかと思っていて、
期待しないでライブに足を運んでいた。
こんな形でやってくれるとは
思わなかった。
田澤くんが想う
みんなが笑顔になれる方法は、
『視野を変えること』。
そしてその後に続く
『Words of The Wise Man~時の贈り物~』で
浮かび上がったわだかまりが昇華されて
ありのままの自分に落ち着いた。
最後のセクションに入る前には、
田澤くんが話す隣で
マイクケーブルのねじれを直す、
テックの北川さんの姿があった。
ねじれが過ぎるので
時短のためマイク部分を吊り下げ、
自然の力で逆回りに
くるくると回して戻している。
それは見るに見かねて
渋々登場されるようにも見えるのだけど、
それほどの熱いステージを
展開し続けたテンションを
解しているようでもあって。
それに気づいた田澤くんは、
「さすが北川さんはよくわかってる!
ここで直してしまわなければ
このあともう直すタイミングがない!」
とその仕事ぶりを讃え、
ストレスなく表現できるよう
環境を整える気遣いに感謝するとともに、
ケーブルをぐるんぐるんにしたことを
深々と繰り返し謝罪するのだった。
「すみませんでしたぁぁ!!」
北川さんは、
メンバーからも花キューからも
絶大な信頼を寄せられている
凄腕のスタッフさんです。
先ほどの『イニシエ』の裏話を。
「演奏中に都さん以外のメンバーが
全員いなくなったら面白いんじゃないか、
と楽屋で話していたけど、
実行したのは一人だけだったので、
トラブルで引っ込んだみたいになっていた」
と話す田澤くん。
都さんも、
「フロントが空いてどうしようと思った」
と振り返る。
「…それは俺はいた方がいいよな」
と確認するのはSakuraさん
「あなたが消えたら
リズムが消えますから」
「
で言ったら『紅』か…」
「打ち込みって手もある」
「何なら作るし」
都さんへのサプライズ計画に
参加している都さん
「これは東京でできるな…
(東京公演まで) 1か月くらいあるやろ」
「ギターの音は袖でも出せるので」
(ベースも同じく)
(ドラムの音を予め録音し
演奏中に流せたら、
遠慮なくドラムセットを離れて
をステージに残せる)
「打ち込み1曲分作ったら、
Sakuraさん、煙草吸っててもらって。
なんなら煙草吸いながら演奏中のステージを
ふらついてもらって。
いつもステージ後方からRayflowerを見てるけど、
フロントまで出てもらって
前方からの眺めを体験してもらおう」
なんて話を本気でしている。
なんだか懐かしい流れ。
あぁ、やりかねない…
そう思っていると、
「僕らそういうの本当にやるバンドなんで」
と初見のお客さんに向けて、
自慢げに言っていた。
後半は自制心が飛びそうな
盛り上がる曲が続いた。
ライブの感覚を忘れているなぁと思った。
裏拍で手を上げることが、2回…?
Rayflowerは、
メンバー全員のトークタイムを
長く設けてくれるバンドで、
その時間をいつも
楽しみにしているのだけど、
今回はそれを本編に置かなかった。
アンコールで迎えられた
メンバーが交わす会話、
それもまた至福の時なのだ。
IKUOさんは声が小さいと
田澤くんに弄られ、
背が小さいと仕返しをする。
このやりとりは【ドリフ形式】で、
田澤くんの中では
【志村氏がいかりや氏に
ちょっかいをだすようなもの】
と振り返る。
「わかるかな」って
世代格差を気にする田澤くん。
いかりや長介氏は
志村けん氏の偉大なお師匠様。
田澤くんも、そんな気持ちで
IKUOさんを弄ってたんだ…。
どんだけ好きなんとは思っていたが
バンド業界で多方面から
激しくリスペクトされているIKUOさんに
猛ツッコミを入れられるのは
田澤くんだけだって、仲間内でも盛り上がる。
どこまでもエンターテイナーな方なのだ。
「俺らM-1出れますね」
「『赤と白』です」
とっさにコンビ名を名乗ったのは
IKUOさんだった
「赤でーす」
「白でーす」
当然乗る田澤くん。
「長いな俺ら!
あとの人ら待ちぼうけや」
IKUOさん、また腕を上げられたわ…
Sakuraさんは、IKUOさんのサブベースが
黒なのを気にしていた。
「赤じゃないんですか?」
「えっ… 事情があって…
」
自分に振られると思ってなくて
焦るIKUOさん。
昨日は名古屋で
Sakuraさん曰く【名古屋らしいバンド】
gibkiy gibkiy gibkiyの
ライブだったSakuraさん。
【名古屋系】
ヴィジュアル系という言葉のなかった
1990年初めの名古屋市の音楽シーンに由来する。
一般的なヴィジュアル系に比べ、
よりダークで陰鬱なものが多く、
曲の激しさと歌詞の暗さが特長。
インディーズ時代の黒夢、Laputa、ROUAGEらのサウンドが
名古屋系を作り上げたと言われている。
ブームが去っても
それをずっとやり続ける土地柄ゆえ
アンダーグラウンドな音楽シーンが
根強く残っており、
そこからの発展が新しいシーンを生んでいる。
wikiから抜粋
コロナ禍と言え、
gibkiy gibkiy gibkiyのライブは
もともとオーディエンスは
声を出さないので
平常通りだったそう。
恐らく昨日は【名古屋バンド】で
クールに叩かれていたのだろう。
「今日はニコニコしてさ」と
自分で言って、
その落差を認めている。
そんなSakuraさんが昨日、
gibkiy gibkiy gibkiyのメンバーと
打ち上げで語り合ったのは、
Rayflowerに足りない
【名古屋らしさ】について。
ツアーならではの話題、ご当地ネタ。
名古屋のファンへの
サービスだとは思いつつ。
名古屋系のお客さんがついたら、
Rayflowerは
もっと大きくなるなって思った。
それと、
Sakuraさんが
gibkiy gibkiy gibkiyのみなさんと
Rayflowerを
共有されていることに驚いた。
それもライブ後の打ち上げで…。
メンバー間に
ライバル意識とか、対抗心とか、
そういった感情はないのだろうかと。
それとも世界が違いすぎて、
超越しているのだろうかなど、
いろいろ思っちゃって。
Sakuraさんにとってはどちらもファミリーで、
Sakuraさんの一部としてRayflowerのことも
話してくれるのね。
律儀なSakuraさんは
gibkiy gibkiy gibkiyを略さないので、
田澤くんがgibkiyを3回言ってる体で話そう
と提案して、
やっと略称でお話される。
(以下 gibkiy~ と称します)
Sakuraさんのドラムセットに
這うコードが真っ赤なのは、
血管をイメージしているから。
漆黒だったSakuraさんの世界に
色が入ったのは知っていたんだけど、
それが鮮やかな赤だった。
gibkiy~の世界を彩る鮮血の色。
そう聞くと、あの漆黒のセットが
血の通う生命体のように思えてくる。
でもRayflowerだと、
うまくIKUOさんとコラボしてしまう
それが、洗練されていて、
とてもかっこいいんだ。
Sakuraさんがgibkiy~のメンバーと
語り合った要素は以下の5つ。
①十字架
のペンダントトップに
十字架が象られていた
②フレアパンツ
と
の衣装が
フレアパンツだった
③血、赤
赤と言えば
④包帯
該当者なし。
「誰か怪我せえ」
えぇ…
「YUKIくん似合いそう」
YUKIさんは、
パンキッシュな衣装も着こなす
おしゃれな方だけど、
似合いそうと言われてハチマキのように
額に巻くジェスチャーをしていた。
「眼帯でもええよ」
どっちも似合いそう。
YUKIさん担当で(仮)
⑤棺桶
イリュージョンで※
メンバーが入った箱があったけど、
棺桶ではなかった。
さすがにこれはクリアならず…
と思いきや。
ドラムの機材入れが
通称「棺桶」と呼ばれていて、
Sakuraさんが今日持ってきているので、
そこに十字架を貼るらしい。
<頁の最後へ>
※イリュージョンについてはこちらをご参照ください
なにげにRayflowerには
名古屋バンドの要素もあった。
偶々だけど
「思ったよりもフロアが埋まってた。
もっとスカスカだと思ってた」
YUKIさんは少し心配されていた様子で、
だけど穏やかに話す。
2年半の空白を埋められるかどうか。
音楽シーンからも
忘れられているかもしれない、
離れていくファンもいるかもしれない。
長期間に及ぶ活動の自粛を
余儀なくされて、
不安がないはずない。
そんな感情を隠さない人なんだなぁ。
「(収容率100%の開催ではないので)
いつもと違う感じだけど、いつもの感じに近い」
と言っていた。
観客同士の間隔に余裕があるだけで、
いつものE.L.L.だと思ったって。
それを確認するまでは、不安だったんだ。
楽屋では平気だったけど、
楽屋を出てステージ袖より手前の
控えスペースに来たら緊張して、
手が震えたと話してくれた。
でもフロアを見たらいつもの感じで安心して、
震えも止まったって。
都さんも、動員のことを心配されていた。
名古屋公演がSOLD OUTになったことって
あまりないのだけど、
今回、大阪公演よりも先に
SOLD OUTしたんだよ。
(わたしはとても嬉しかった )
それでも心配になるものなんだね…。
チケットを買えても、
仕事や家の都合をパスできても、
直前でコロナ絡みで諦めるという事態も
あり得るのだし。
だから元気な顔で集まった花キューを見て
本当に嬉しそうだった。
Twitterを始めて最初の投稿が、
【聖飢魔Ⅱのミサに行って
オーディエンスの気持ちを理解できたこと】
だった田澤くん。
声を出すという行為を封じられても
一対一で繋がってることを実感した
と話してくれた。
「僕も信者なんで」と。※ガチのファンの方
それまでは、コロナ禍におけるファンの心理を
体感する機会がなかったよう。
声に出せなくても、
「閣下、僕は楽しんでますー!」って
フロアで田澤くんも
心の中で叫んでいたそう。
荷造り、移動、地方の会場での演奏に伴う、
ツアーでのルーティン。
幾度となく繰り返してきたそれらを通して、
メンバーにいろんな記憶が蘇っていた。
陸バンドと呼ばれていたことや、
Webラジオをやっていたことなども。
「マジックやってたなぁ」
「『Real Game』は
俺がヤー!ヤー!言って、
(みんなが)ヤー!ヤー!言わされて
「声が小っさい!」までがセット。
声が小さくなくても
「声が小っさい!」は言う」
そうだったんだ・・・
(あっ、アンコールの匂い…)
そう田澤くんが感じたのは、
楽屋での嗅覚が想起させた記憶だった。
YUKIさんはステージに立つ前に
香水を着けるので、
ステージ袖で待機されていると、
それがフロアまで
香ってくることがある。
「アンコールは
多めに振ってしまうよね」
数年ぶりの感覚。
アンコールが近づくと、
決まって楽屋に漂ってきた香り。
それが鮮明に蘇った瞬間を伝えてくれる。
それは喜びでもあって。
新曲も引っ提げずの
純粋な【再会】だった。
IKUOさんが原点回帰を提案されたそう。
そしてこのツアーの会場は、
3ヶ所ともRayflowerが
初めてツアーをした時と
同じだと言っていた。
そのやりとりを聞いて、
彼らは変わろうとしているのだ
と思った。
新たな局面を迎える準備。
その前に足跡を確認したかった、
Rayflowerの
謙虚さと堅実さを想う。
キタガワ@pedal_kk
Rayflower、名古屋ELL、ツアー初日。名古屋バンドを目指すための必須アイテム『棺桶』はカジュアルにDIYで。 Model : Sakura Hair & Make-up : Tamami Yasuda Photo :… https://t.co/pCE5VhWviP
Sakuraさんと北川さんのおかげで
アンコールでは
メンバーはツアーTシャツを着て
登場するのだけど、
YUKIさんのTシャツには袖口にさりげなく
ダメージ加工が施されており、
やっぱりYUKIさんは
パンキッシュな装いが似合うなと
思った。
リリィ𓅪@lilytune
私のとても好きな曲が聴けた。 聴けると思ってなかった。 曲終わりで紳士のようにお辞儀する田澤くんも好きなんだ。 この曲はベストアルバムには入らなかったんだけど、リアレンジの必要はないからかもしれないな。 この曲をツアーでしてた時は… https://t.co/dSPSUKSNSj
素晴らしい演奏と時間を
ありがとうございました。
『Change Your Sight』は
本当に嬉しかったです