BULL ZEICHEN 88のライブに行ってきました。
BULL ZEICHEN 88
ワンマンライブ
「ねぇ、知ってる? ブルの¥88円Zeppって、チケ一枚売れるごとにプレイガイドにそれ以上の手数料取られるんだってwww だからチケットが売れれば売れるほど赤字が増えるっつー恐ろしいライブなんだよw それでも! Zeppはブル8がおごるからさ! ここはお前らのおごり文字数・・・vol.3」
@CLUB PHASE
8月8日はブルハチの日になっている。
2012年8月8日
1stアルバム『アルバム』発売
2013年8月8日
8thシングル『Lovely』発売
2014年8月8日
DVD『BULL ZEICHEN 88@AKASAKA BLITZ
~赤坂ブルッツ2013~』発売
/ リリースパーティ@CLUB PHASE開催
2016年8月8日
初期シングルのカップリング曲を収録した
ベストアルバム『マチュピチュ』発売
/ 略.文字数vol.3開催
なかでも10年目の8月8日は、特別な1日になった。
セットリストはマキシシングルを発表した順に演奏し、
その都度MCをはさむ、
経時的にファンと一緒に
10年を振り返っていくという試み。
一番会場が沸いたのは、IKUOキック秘話
ファンの間で語り継がれている
IKUOキックが炸裂した日の詳細を
淳士くんが語りだした。
「公開処刑」
それはバンドで初めての取材の日のこと。
淳士くんは、普段から電話がつながらなかったり、
遅刻をよくしたりしていた栄二郎くんにむかついていた。
「あいつ今日も遅刻してくるんじゃねーか」
「何言ってるんだよ、栄二郎はちゃんと来るよ!
あいつのこともっと信じてやれよ!」
そうIKUOさんに怒られてしまった淳士くん。
しかし5分前になっても彼は登場せず、
先にインタビュアーさんが到着してしまった。
IKUOさんは、最後まで
栄二郎くんが来るのを信じていた。
その事実を知らなかった栄二郎くん
わたしたちも知らなかった
この続きは広く知れ渡っている。
IKUOさんはキャスター付きの椅子に座って待っていた。
そして栄二郎くんが到着した瞬間、
椅子に座ったままガーッと移動して
栄二郎くんに蹴りを入れた。
その時のIKUOさんが超怖かったというお話。
IKUOさんが怒るのはハレー彗星の周期並にめずらしいことで、
仏と呼ばれるIKUOさんの破壊力は以下の通り。
「半径5メートルにいた人全員の心が折れた」
「俺そのあと淳兄にあまり怒られなくなったもん」
おかげで栄二郎くんは遅刻をしなくなったそう。
『メロディーとスクリーモの両刀使いがいる』との情報から
加入に至った栄二郎くん。
栄二郎くんは、
一度はバンドを諦めていたIKUOさんが探し出した
逸材なんだ。
IKUOさんは『歩くタウンページ』とも呼ばれている。
バンド業界に知らない人はいないと思われる。
そして巷のバンド事情にも精通していた。
「何なら近々解散するバンドも知ってた」
バンドのための情報収集力がすごいの
「セバスはまだ入ってこないで!」
ブルハチの歴史に存在していないセバスさんは、
栄二郎くんに2回もMCから追い出される
セバスさんのことは、
『日本人か外国人かわからない奴がいる』と
紹介されてくる。
IKUOさんは、華のあるギタリストを
探していたんだと思う。
「タトゥーも入ってるし、
そんなわけのわからない奴やめようよ」
と言っていた淳士くんだけど、
「めんどくさい奴が来ると思って
プロフィールを見てみたら、
『お笑いとロックが大好きな関西人だす』
って」
と書かれていて、そこは気に入った様子
初めて待ち合わせをした場所は、
高田馬場駅の前の広場。
当時の髪型は金髪に刈り上げで、
カブに乗って来た淳士くん。
セバスさんには、
その登場が今も強く印象に残っているよう。
「あの頃はもてようという気が一切なかった」
SHAM SHADEのドラマーに逢うなんて、
それはもうドキドキしながら
待っていたんだろうな。
先に曲を演奏して、
それから当時を振り返っていく。
セバスさんは、
大きなイベントに出たときのことを話してくれた。
「Acid Black Cherryさんの
SWAPPING ROCK PARTYに
2回も出させてもらえたのは、うれしかったですね!」
『SWAPPING ROCK PARTY!』
2007.10.29@Zepp Tokyo、
11.3@Zepp Osaka 、11.4@Zepp Nagoya
『SWAPPING ROCK PARTY!VOL.2』
2008.9.22@Zepp Tokyo、
9.24@Zepp Osaka、
9.25@Zepp Nagoya、
9.29@Zepp Tokyo、
9.30@Zepp Tokyo
「(開口一番に)セバス緊張しすぎ」
セバスさんは、
挙動不審なほど大変に緊張されていたらしい。
「どうせ誰だかわからないなら
徹底的にわからなくなろうと思って」
と、ドーランを塗り真っ白になって
ステージに立ったセバスさん。
そしたら、
Crack6のメンバーさんも白塗りで登場されて
被っちゃったというオチ。
アンコールでは栄二郎くんも白塗りになり
「後悔した」。
仲いいなぁ
absの7daysのO.A.に出させてもらったことも振り返る。
abingdon boys school
『a.b.s. TOKYO-EBIS 7days』 2009.10.27
当時を思い出し、あぁ、と感慨深そうなIKUOさん
西川くんに胸を借りる思いで臨まれたのだろう。
淳士くんとIKUOさんから直接お願いしてくれたら、
出してもらえるんじゃない?
という話の流れでおねだりする二人。
「ABCに出たいです」
「イナズマに出たいです」
「それは無理なんじゃないかな・・・」
「flywar」を演奏した後のMCでは、
「俺今日初めて完璧に叩けたわ!」
「それは淳士くんがうまくなってるんだよ」
殺され続けているIKUOさんからの言葉に
思わずうれしそうになる淳士くんの姿があった。
この曲はいつも
お客さんの反応がわかりにくいな
って思っていたけど、
ドラムも難しいんだね。
この頃の曲は歌詞がわたしにはとてもリアルに響いて、
毎回突き刺さっていた。
特に「flywar」が、
わたしに一番近くに感じていたから、
久しぶりに聴けてうれしかった。
この曲に泣かされたこともある。
栄二郎くんの手を握りながら。
結成した時に曲は5曲あって、
IKUOさんの家で初めて聴いた。
「その時の流行を取り入れるのがコンセプトだから、
年々音数が増えて行ったんだよね」
バンドの成長とともに楽曲も進化を遂げていくのは、
実際に聴いてもらいたいところ。
そして当時はPOPすぎて出せなかったという1曲が
10年越しで最新シングルのカップリングに入る。
「「ボイマヘ」を初めて聴いた時は
すごいと思った!」
「この曲がシーンを変えると思った!」
と当時の感動を興奮気味に話すセバスさん。
IKUOさんも作った時に手ごたえを感じたと、
強くうなずいている。
タイトルをカタカナにしよう
というアイデアを出したのはIKUOさん。
「そのままじゃつまらないし」
そのアイデアを出した人すごいと思っていた
この時のメンバーさんたちの表情は、
自信に溢れてとても輝いていた。
この日は「BULL」を5年ぶりに通して演奏した。
「なつかしいでしょ」
この曲にこのバンドの本質を感じたっけ。
「次に通して演奏するのは5年後」って
エアコンを切ってサウナスーツを着て、
街中の貸スタジオで据え置きのドラムでしていた
ライブを想定しての練習。
IKUOさんもセバスさんもボリュームMAXで、
淳士くんは自分のスネアの音も
聴こえなかったそう。
「(に)お前よく歌ってたな」
「そんな練習でうまくなるはずがない」
結成して1年ぐらいは、
そんな練習ばかりしていたって。
無茶なことするなぁって、でも、
なんてまっすぐなエピソードなんだと思って、
わたしは好きなんだけど
10年も前のことを、
まるで昨日のことのように
瞬時に思い出せるのね。
覚えてるのね。
今年に入ってからの、
特に栄二郎くんとセバスさんの表情が
とても眩しくて惹き込まれる。
うれしくてしょうがないという顔をしてる。
3曲演奏するごとにMCが入るので、
会場の熱気はそれほど上昇しないのだけど、
フロアは新旧のファンが混ざり合う究極な混沌で、
かなり苦しかった(苦笑)。
従来の振り付けをする人と
近年の音圧を受けて思いのまま暴れる人がいて、
そこにもバンドの歴史を感じた。
4枚目の曲が終わると本編は終了。
アンコールは「JESUS」と「Gravity」。
この時フロアに飛び込む栄二郎くんのかっこよかったこと。
めずらしく下手にも飛び込んできた。
上腕の裏側に痣を見つけた。
ライブでできたものなのか心配してしまった。
体を張っているのを実感した。
ファンを気遣う栄二郎くん。
わたしにも声をかけてくれる。
「大丈夫かー?」
「大丈夫ー!!」
アイラインとかめっちゃ崩れてるの知ってたけど、
精一杯返事をした。
経時的に記憶を辿るMCは
彼らの大切な思い出を共有させてくれる、
とてもしあわせなものでした。
BULL ZEICHEN 88って、本当に愛すべきバンドです。
素敵な時間をありがとうございました。