最終回を観てから、なんか感想を残しておこうと思いつつ

「裕ーーーーー!!」(綾野剛演じる黒崎裕のことです)

という叫びしか出てこず(笑)ずっと保留にしていました。



まず、今更ながら、全八話中、六話から観始めたわたしによる

(笑・つまりアテにならない)、

このドラマ全体の大雑把なストーリー解説です。


半分以上観ていないので間違ってたらスミマセン。



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大学病院で形成外科医として働いている峯太(佐藤隆太)は、

二歳のときに母に捨てられた過去を引きずっています。

母は父以外の男性と関係を持ち、

手に手をとって家を出てしまいました。

父子家庭で育てられた峯太はばりばりの女性嫌いに。


ところが、ある日、父親が恋人をつくり、

のめりこんだ末に巨額の借金をつくってしまいます。


父親から借金を丸投げされ、

峯太は返済に追われるはめに。

大学病院の職を辞して、ウルトラ高給取りである

美容整形クリニックでメスを握ることになりました。


家賃や生活費も払っていられない状況下で手を差し伸べて

くれたのは中学からの親友である、都庁勤務の公務員、黒崎裕(綾野剛)。

峯太は彼の好意に甘え、裕の家に転がり込みます。

裕はゲイで中学時代から峯太のことを一途に想い続けていますが、

女性嫌いが過ぎて恋愛感情とかそもそもさっぱりな峯太は

その好意に甘えることに抵抗がありません(このやろう。裕の気持ちを

知っていながら…!)。


無骨な峯太は新しい職場で、アクの強い女性たちや

美を追い求める患者たちと出会い、翻弄されていきます。

初めは価値観のあまりの違いに衝突ばかりを起こす峯太ですが

次第に、美を求める心が浮ついただけのものではないことに

気付かされ、軟化していきます。

そして、彼の変化は女性に対するまなざしにも反映されていくのです。


美容整形クリニックの凄腕市井先生(稲森いずみ)は

姑と同居する一児の母ですが、

マザコン夫との愛も冷め、居場所を見失っていました。

彼女の強さと脆さに、惹かれていく峯太。

しかし、トラウマもあり、不倫だけは許せない。

一方、峯太の気持ちならなんでもお見通しの黒崎裕は

峯太の幸せを応援したい友情と恋心の間で

苦しみ人知れず涙するのでした。



みたいな話です(笑)。

最終回では、峯太が市井先生に

「不倫はよくないから、十七年待ちます。お子さんが自立してから

一緒になりましょう」と言い、形としては「別れた」状態になりました。

気持ちはお互い今のところ続いているみたいです。

で、恋愛感情の切なさを知った峯太はついに裕の家から出て行くと。


裕は苦悩しながらも、

激情は独りでやり過ごして、峯太の背中を押してあげる役でした。

もういいよ…! 辛いよ…! 裕…!

てなもんで、テレビの前に突っ伏しまくったわたし。

切ない表情をさせたら人後に落ちない綾野剛。

視聴者はぼろぼろですよ。

視聴者によるキャスト評価は恐らく

一位 綾野剛


二位 北乃きい


三位 佐藤隆太…?

でしょう(笑)。一位は一人勝ち。


綾野剛の演技の凄さをここで書いてもきっと伝わらないだろうな…。

ほんとうに、「黒崎裕」が生きているとしか思えない存在感でした。

彼にしかできない。

北島マヤが演技すると、観客は主役そっちのけでマヤに感情移入しちゃう。

そんな感覚でした。

前回、舞台荒らしって書いたけど、ドラマ感想専門の掲示板でも同様の

書き込みを多数見ました。やっぱそうだよね。舞台荒らし。


脚本のバランスだっておかしい。

主題を描きたかったら裕をそんなに出したらダメなのに、

もう出さざるを得ないことになってる。

出ずっぱりで、すべてを黒崎裕が食っていくんですよ。

今作の視聴では、

ドラマをドラマとして楽しむだけでなく

黒崎裕の膨張する存在感をこわごわと追いかけていく

生々しい楽しみがありました。


だって、普通この時間帯でドラマやったら、

稲森いずみに支持がいくんじゃないかなと思うんです。

でも、あくまでセクシャルマイノリティとして生きた黒崎裕に軍配があがり、

東京ラブストーリーばりに稲森いずみエンドがぶーぶー言われてしまう。

打ち切りが決まってからストーリーのバランスは崩壊していた

(抗戦はしていた)と思うので、

全体を見た評価は高くはならないのですが、

それでも裕の存在感だけでBD買おうって思いました。


やっぱ六話から入ったのが大きかった。

六話はこの作品でもいちばん評価が高い回だったみたいです。