- 石の剣(つるぎ) (新潮文庫―ソーントーン・サイクル)/新潮社
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最近、読んだ本。ソーントーン・サイクル全三巻。
久美沙織さんです。
ファンタジー小説における久美沙織の描写力の凄さをいろんな人に
説いて回っているのですが、なかなか理解を得られない。
ドラクエ小説の洗礼を受けていないひとは、たいていコバルト文庫の
丘ミキのイメージなんですよね…!
声を大にして、むしろ拡声器を持ってきて熱弁をふるいたい。
ぜんっぜん違いますから…!
だってわたし丘ミキの良さはわからない。
文体も完全に別物だし。
なのでだまされたと思って『ドラクエⅤ』か『精霊ルビス伝説』を
読んでほしいなあと思います。
え、肝心の『ソーントーン・サイクル』は? とお思いでしょうが…、
これ一巻は良いです。二巻も。
しかし、数年空いた三巻はなぜか文章がすごく読みにくい。
うう、久美沙織さんの文章がほんとうに好きなわたしとしては
とてもとても残念でした…。展開も尻すぼみだし。
文体から即映像が浮かぶ圧倒的な描写とはもう出会えないのかな…。
ソーントーン・サイクル三巻の解説は大森望さんなんですが、
傑作和製ファンタジーとして、
小野不由美さんの『十二国記』
氷室冴子さんの『銀の海・金の大地』と
久美沙織作品を挙げてました。
十二国と銀金と久美沙織さんですよ!
たぶん、大森さんの本心としては『ソーントーン・サイクル』より
『精霊ルビス伝説』推しなんじゃないかなという印象を受けました。
ドラクエ外伝をうたっているものの、
99.9パーセントオリジナルに近いルビス。
わたしもふるえるほどの傑作だと思います。
ぜひ、大森さんの挙げたタイトルの並びに
「おっ」っとなったら読んで頂きたいです。
いまだに久美沙織さんの比喩表現の素晴らしさを超えた作家は
わたしのなかではいないので…。