魅力的な人とはどのような人なのだろうか。性格、スキル、容姿、財力、態度などがその要素となると思う。魅力を感じる人には必ず隙があると思う。その隙は先述した要素のいずれかを高く持っていることが前提にある。その高い要素と隙を持ち合わせることで、どこか愛おしさを感じる。それは男女問わない。これがいわゆるギャップ萌えなのかもしれない。


隙がない人よりもどこか抜けてる部分がある人の方が支えてあげたい、この人は自分を犠牲にする価値のあると思える。逆にそう思わない人に共通するのは自分の欠点を受け入れないこと、つまり隙を隠す人である。自分の意見ばかり他人に押し付けて、他人からの意見を拒絶し、人の上に立って優越感に浸る人には魅力を微塵も感じない。


完全無比
不純物の無い世界へと
逃げ込むのは
そろそろお開きにしよう
ひと雫 落とす黒
真白な心へ
汚れるんじゃない 深くなれ


黒い雫(superfly)



魅力を感じる人のもう一つの特徴は、「傷つく覚悟」を持っていることである。

例えば、毒舌キャラの芸人、清純派のアイドル、憎まれ役、醜態を晒す役を演じる俳優、自身の想いを歌い続ける歌手、国を「本気」で変えようとしている政治家、他人の命を最優先に助ける医者、消防士、警察、自衛隊などが挙げられる。


彼らは家庭環境、経済事情、人間関係、夢など様々な理由で職業を全うしていると思う。言い方は失礼だが、人によってはやらざるを得ないのかもしれない。もちろん楽しさを持って取り組んでいる人もいると思う。


彼らには自身の思いと周囲の反応・意見に必ずすれ違いが生じている。それでも続ける姿勢に凄さを感じる。なぜなら、そのすれ違いにより生まれる葛藤を押し殺しているから。その覚悟を持っている人に魅力を感じる。


「何でこの芸能人はずっと残っているのだろう」と思う時があるが、おそらく世間の人々は知らない、実力以外の覚悟や礼儀を間近で見ている人たちがいるからだと思う。

よくテレビ番組の中で取り上げられる、特定の芸能人に関するアンケートにおいて、対象となった人たちが世間の人々なのか、その芸能人と同じ業界の人たちなのかでは、視聴者には前者は共感性、後者は親和性が生まれてくると思う。


世間からのイメージに応えて、素の自分を消す必要はない。仮に素の一部が出たとしても、それは裏切りではない。新たな個性が見えたとポジティブに捉えればいい。


Hey Hey Hey 時には起こせよムーヴメント
がっかりさせない期待に応えて素敵に楽しい
いつもの俺らを捨てるよ
自分で動き出さなきゃ何も起こらない夜に
何かを叫んで自分を壊せ!


WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント〜(H Jungle with t)


もしそれが君の
ほんのイチブだとしても
何よりも確実にはっきり
好きなところなんだ
困った時 少し
まゆげを曲げてみせたり
抱きよせるとホッとするような
柔らかさだったり
すべて掴んだ
つもりになれば
また傷つくだろう
ほんとに要るのは
有無を言わせない
圧倒的な手ざわり
愛しぬけるポイントが
ひとつありゃいいのに
君にしかわからないこと
僕だけが見えていること
どれもホントのこと
すべて何かの
イチブってことに
僕らは気づかない
愛しい理由を
見つけたのなら
もう失わないで
愛しぬけるポイントが
ひとつありゃいいのに

それだけでいいのに


イチブトゼンブ(B'z)


周りの批判に押し潰されそうになったら、世間や将来などの遠くを見ることを一旦やめて、近くに目を向けて、仲間や家族から癒しをもらい、原点を思い出し、夢や目標の情熱をたぎらせて、再び遠くを見ればいい。


先程挙げた職業の人たちに限らないが、誰にでも身近に彼らのように葛藤を抱えながらもがいている人たちがいるはず。だから、僕はその気持ちを行動や言動から察することができる「目」と「耳」を持ち、少しでもその葛藤を軽減できる人間になりたい。そのためには、やはり自分が「傷つく覚悟」を持ち続けることが大切だと思う。


もういいよ
誰の為のそのルール
残された時間は過ぎてゆく
僕は嫌になっても演じ続けてやる

もういっそ
待っていないで 誰がやる?
借り物の姿じゃつまらない
孤独?恐怖?勝負? So Good もう逃げ道はいらない


サヨナラサラバ(BiSH)


昔の侍は
自ら命を断つことで
自らを生かす道を
自ら知ってたという

戦う術を失う
我らは いたずらにその身体
秋風にさらしている
秋風にさらしている

冬支度済まぬ 寒き町と
夢遠き我が姿
ああ 重ねて消えた
我が姿は重ねて消えた

ああ 紅き空 登り来る朝日よ
ああ さよならさ
我らが青き日々よ


昔の侍(エレファントカシマシ)


他人に魅力を感じるのは自分のないものねだりから来るからのような気がする。自分に無いものを持っている人が眩しく見えてしまうからかもしれない。でも、自分の良さを自分自身で認識しなければ、魅力ではなく、嫉妬に変わってしまい、他人が輝くものから邪魔なものに見えてしまう。そんな人生はつまらない。