◆ 経過 ◆

2002年
03.23 右目が腫れているのに気づくが、虫さされだと思いそのまま様子を見る
04.03 腫れはひかずに大きくなっている。近所の眼科を受診 診断:類皮嚢腫..切開が必要だと言われる
04.05 一年前のITPもあったので入院していた病院へ 診断:病名は分からないが自然と治る、切開は必要ないと言われる
04.09 見解の相違に不安が募り他医院受診。腫れは空豆大以上に。すぐに脳外科でCTを撮るように言われる
04.10 CT画像を持って最初に受診した医院へ。カナもいるので夏休みに手術の目処をつける
04.18 切開するのには全身麻酔になるので、大学病院を紹介される 術前検査..採血、心電図、レントゲン、視力・眼圧検査
04.22 腫瘍が赤みを帯びてさらに大きくなる。急遽、近所の眼科→大学病院受診。緊急に手術決定
04.24 大学病院入院。麻酔科受診
04.25 腫瘍摘出手術 良性の腫瘍(類皮嚢腫)だと思われていたが、病理検査の結果を待つことに結果は1週間後の予定
05.02 告知 抜糸の後、病理検査の結果の説明を受ける 結果:悪性軟部肉腫(横紋筋肉腫)
05.07 大学病院小児科クリーンルームに入院 すぐに点滴がつながれCT、骨髄検査
05.08 MRI検査。副鼻腔へ腫瘍の広がりも疑い耳鼻科受診
05.09 全身レントゲン、心臓エコー。眼科受診
05.13 骨シンチ検査 化学療法開始。V(オンコビン)静注 A(コスメゲン)静注 C(エンドキサン)点滴
05.14 髄液検査
05.15 中心静脈カテーテル(IVH)挿入。腹部、心臓の心電図検査
05.16 ガリウムシンチ検査
05.20 子供病院転院後、治療続行
05.23 脱毛が始まる
05.26 アクチノマイシンの副作用である口内炎で痛みがひどくなる。サルコート、ボルタレン、モルヒネ使用
06.27 痙攣を起こし呼吸が浅く。体内の電解質のバランスが崩れた為らしい(ナトリウム低下)
07.09 MRI検査。小さくはなっているものの画像にて残存あり
07.12 眼科受診。放射線照射の為のシュミレーション。プラスチックのマスクを作った
07.15 放射線照射開始。1回 1.8Gy 25回 トータル45.0Gy
08.16 放射線照射終了。照射部位が火傷の跡のようになって目頭に血がにじむ
08.19 眼科受診。タリビットとネオメドロールを処方される。1日4回点眼
08.26 眼科受診。視力 左 1.2 右 0.4
09.03 再び体内の電解質のバランスが崩れ意識が浅くなり点滴の種類が変わる(ナトリウム低下)
09.24 眼科受診。角膜が細かく傷ついている
09.26 MRI検査。残存あり。放射線照射後なので生検はしない
10.07 体内の電解質のバランスが崩れ意識が浅くなり点滴が追加された(カリウム低下)
10.15 眼科受診。右目からの脳への伝達が弱いことが判明。視力に変化なし
10.21 眼科受診。フラビタンとコンドロンを処方される。1日4回点眼
11.19 眼科受診。(右視力0.1~0.4変わらず)目薬は引き続き
11.27 MRI検査。残存変わらず。
12.13 右目が白く濁ったように見えて、眼科受診。フラビタンとタリビット軟膏を寝る前につけるようになる
12.24 眼科受診。角膜の傷も視力(右0.4左1.0)も変化無し。保護を強めるためにも、まだ眼軟膏は続く
2003年
02.04 眼科受診。右目からの脳への伝達を検査。視力ともに変化なし。右目は見えづらいと本人の自覚もあり
02.15 右目の充血がひどく眼科受診。フルメトロン追加 フラビタン、コンドロン >>6.10.14.18時 フルメトロン >>8.12.16時
02.20 充血が治まらないのでフルメトロンからリンデロンに変更。点眼回数と時間は同じ(24日中断)
04.07 MRI検査。画像残存無
04.08 眼科受診 角膜の損傷など変化無。体調に左右される今回は視力は右0.6まで確認できた
04.09 中心静脈カテーテル(IVH)抜去
04.09 眼科受診 目薬(フラビタン、コンドロン)1日3~4回点眼。眼軟膏(フラビタン)夜就寝時のみ
04.10 退院
04.18 抜糸
05.16 視力 右0.6 左1.0、眼球とも変化なし
06.13 視力 右0.35 左1.0、視野の検査に異常なし
07.18 視力 右0.6 左1.0、変化なし。
07.24 MRI検査。異変なし
08.20 右目の充血と目やにが治まらないので予約外で眼科へ。視力 右0.1 左1.0。クラビット処方。原因不明
08.21 目やにが治まらないようならCTかMRIで検査の予定
09.05 視力 右0.1 左1.0。目薬を止めると目やにが出てくる状態。サルペリン処方。CT検査は異常なし
09.18 視力 右0.4 左1.0
09.25 眼鏡をかけはじめる。眼鏡視力 右0.6 左1.0
(以下矯正視力)
10.24 視力 右0.45 左1.0
11.06 MRI検査。異変なし。副鼻腔炎が発覚。視力 右0.8 左1.5。ヒアレインが処方され、フラビタン+ヒアレイン点眼になった
12.04 視力 右0.6 左1.5。診察中、糸状(シジョウ)角膜炎を発見
2004年
01.13 視力 右0.5 左0.9
02.06 視力 右0.8 左1.0 (就寝時外気に触れる黒目が白くなったのでフラビタン眼軟膏)
03.15 MRI検査。異常なし
03.19 視力 右0.7 左1.0
04.23 視力 右0.6 左0.6
05.21 視力 右0.7 左1.5
06.14 視力 右0.5 左1.2
07.16 視力 右0.9 左1.5 (状態も落ち着いているので外来も2ヶ月毎になる)・MRI検査
09.17 視力 右0.8 左1.5
11.19 視力 右0.5 左1.5
2005年
01.18 視力 右0.2 左1.2 (白内障発症)
02.09 視力 右0.2 左1.0 (右裸眼視力 0.25)
03.15 視力 右0.2 左1.5
04.26 視力 右0.08 左1.2
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退院後は、3~6ヶ月バクタ内服し、3ヶ月毎に頭部、眼窩のMRI検査
通院は最低1ヶ月に1度、1年間続け、以後は時々に間をあけていく
採血は月に1回を3~6ヶ月。以後は、3ヶ月毎位になる予定

  INDUCTION : Treatmnet Week 0-16 CONTINUATION : Treatment Week 20-28 CONTINUATION : Treatment Week 29-46 (all regimens)
Regimen 0 1 2 3 4 5 6 7 8   9 10 11 12 13 14 15 16   20 21 22 23 24 25 26 27 28   29 30 31 32 33 34 38 39 40 41 42 43 46 47




VAC
V
A
C
V V V
A
C
V V V
A
C
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V
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V
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Radiation  Therapy

プロコトールに従って治療が進められるように、薬で白血球を上げながら治療を進めます。
Vビンクリスチン(オンコビン) AアクチノマイシンD(コスメゲン) Cシクロフォスファミド(エンドキサン)
上記3種類の抗ガン剤を組み合わせて、だいたい3週で1クールのサイクルで化学療法を行い、プラスして放射線治療を施す。
(オンコビンはほぼ毎週、コスメゲンは第一週初日から5日連続、エンドキサンはだいたい三週に一度の割合)

◆ 主な副作用 ◆
V :オンコビン  >> 末梢神経障害、便秘、黄疸。使用中はナトリウムの濃度を調べる必要がある
A :コスメゲン  >> 肝機能障害、発疹、アレルギー、再生不良性貧血
C :エンドキサン >> 出血性膀胱炎、肝機能障害、間質性肺炎、心筋障害。骨髄抑制は使用後大体10~14日後にもっとも強く現れる

嘔気、嘔吐に対しては、制吐剤使用
脱毛 ・・・ 普通は治療が終われば生えてくるが、髪の量が少なくなったり細くなったりすることがある
白血球減少 ・・・ 易感染症があり、普通なら大丈夫な口の中や腸の中の最近、真菌で感染症を起こすことがある
貧血 ・・・ フラフラしたり、元気がなくなったり、放置すると心不全になることもある(輸血により治療)
血小板減少 ・・・ あまり血小板が少なくなると皮下出血や、ひどい場合頭蓋内出血を起こすことがある(輸血により治療)
全ての薬で嘔気、嘔吐、脱毛、骨髄抑制(白血球減少、貧血、血小板減少)がある

  白血球 赤血球(Hb) 血小板
乳児 9000~15000(9.0~15.0) 10.7~19.0 15万~40万
(15.0~40.0)
小児 8000~12000(8.0~12.0)
成人 4000~9000(4.0~9.0)
*()内はメイの入院中の記録に表記の単位
参考文書:小児看護第22巻第5号1999年5月 小児看護辞典 付録.覚えておきたい小児の基準値
 

参考:医師の説明・メディクイックブック 1999 金原出版

 

診断時の病期、組織型、発生部位(組織型によって好発部位も異なる)

年齢、転移の有無、手術後の腫瘍の残存等によって、予後が変わってくるようです。


 

  良好                       不良
病期分類 Ⅰ         Ⅱ Ⅲ         Ⅳ
組織型 胎児型  胞巣型
発生部位 発見されやすい部位 遠隔転移を左右する部位
転移
腫瘍の残存 無 


予後については、専門の先生方とお話をした方が良いと思い、簡単にまとめました。
詳細について、お問い合わせを頂いても返信はできません。


以上
小児看護 第17巻第9号 1994年8月臨時増刊号
特集:小児のがん  Ⅴ 各種がんの病態生理・診断・治療・予後-6  「横紋筋肉腫」
著者:伊藤仁也、大平陸郎(国立がんセンター中央病院小児科)  より抜粋