「ショーシャンクの空に」では、ビールを飲む場面があり、私としては見逃せないところです。
刑務所の屋根のペンキ塗りの作業にかりだされたときに、
アンディが刑務官の遺産相続問題を解決してあげて、お礼に仲間全員にビールをごちそうしてくれることになった場面です。
レッドたちがおいしそうに飲んでいたビールは「Stroh's(ストロービール)」という銘柄です。18世紀に現在のチェコにあった家族経営のパブが醸造したピルスナーのボヘミアン・スタイルです。麦芽が甘く、ホップの苦味がきいた深い味わいのあるビールです。醸造法を父から学んだ息子が1848年にアメリカに移民、1850年に28歳のとき、デトロイトでビール製造会社を始めました。映画のなかでは、「キンキンに冷えたボヘミアン・スタイルのビールだ」というセリフがありました。
残念ながら、この映画が公開された後の1999年に、身売りしてしまい、今は飲めないそうです。ただ日本では幸いなことに、「横浜ビール」の出しているピルスナーがボヘミアン・スタイルということです。スーパーにも330mlの瓶が置いてありますので、興味のある方はお試しください。
仲間がアンディに、いっしょにビールを飲まないか、と誘ったとき、酒はやめてるから、と断ります。監獄のなかにいるのだから、酒を飲めないのは当然ですが、実は映画が始まるとき、アンディは不倫している妻を殺しにいこうと車を運転していて、赤信号で止まったとき、ウィスキーのポケット瓶を飲むシーンがありました。そういう精神状態になっていた結果が、妻殺しの冤罪で無期刑にされてしまったことを後悔して、酒を断ったということでした。
アメリカでは、タバコも酒も、まともな人間のやることではないとされております。交通事故を起こしたりすると、まず調べられるのが、麻薬をやっていないか、アルコールを飲んでいないかです。その痕跡、たとえばトランクにビールのパックが置いてあったというだけで、問答無用に事故の責任は100%こちら側ということになってしまいますから、かなり用心しないといけません。
もちろん、家でやっているぶんには、なにも問題はありません。
コロナのせいで、ビールを家飲みするのはつまらない。
そうだ、コロナ・ビールを飲みにいこう。