五十音の根っこにある
「あ行とわ行の“対(つい)”」を、ことばの感覚でほどいてみます。
あ行は「立ち上がる力」
あ行の音は、口をひらき、息が前へ出ます。
• あ:在る/生まれる
• い:向かう/意志が立つ
• う:育む/内に満ちる
• え:得る/結実する
• お:終える/形を持つ
あ行は、いのちが「わたし」として立ち上がる音。
始める、名乗る、決める。
輪郭を与え、世界に向かって立つ。そんな方向を持っています。
一方、わ行は力を抜く音です。
口も心も、少しゆるむ。
• わ:和す/ほどく
• ゐ:居る
• ゑ:出会う/結ばれる
• を:通す/渡す
わ行は、立ったものを、もう一度世界にひらく音。
受け取る、ゆだねる、関係させる。そして循環させて、次へ渡していく。
そんな方向を持っています。
あ行とわ行は、対立ではありません。世界がめぐり続けるための両輪です。
• あ行:立つ
• わ行:ほどく
• あ行:決める
• わ行:ゆだねる
• あ行:名指す
• わ行:和して結ぶ
もし、あ行だけだったら。
世界はどんどん固くなります。
正しさが尖り、境界が増え、勝ち負けになりやすい。
でも、わ行があることで、
一度立ったものを、もう一度やわらかくほどける。
そして、関係の中で整え直せる。
だから、日本語には 「あわい」 という言葉があります。
あ(立つ)+ わ(ひらく)= あわい
白黒の間。
内と外の間。
私とあなたの間。
ここは不安定にも見えるけれど、本当は、いのちがむすび直される場所。
決めすぎず、逃げすぎず、
つながったまま在る。
その感覚を、音が支えていました。
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生き方としての「あ行」と「わ行」
もしこれを、暮らしに置き換えるなら。
• あ行的に生きる:
「私はこう在る」と立つ
• わ行的に生きる:
「自分を整え和していく」とほどく
この往復があると、
人は折れにくくなります。
尖りにくくなります。
そして、巡り“強さ”と“やさしさ”が、同じ道を歩きはじめる。
全国古事記塾主宰 今野華都子記す











