福島第一原子力発電所関連のNHK特番(BS放送) | kkのブログ

福島第一原子力発電所関連のNHK特番(BS放送)

福島第一原発の事故は本当に心配です。無責任な事をいう専門家も居ますが、核物理学の専門家でも原子力発電所の仕組みを勘違いしているような解説者もおり、見極めが大切だと思います。

その中で、NHKが放送した福島第一原発の特番は、非常に内容が的を得ており関心しました。解説者が説明する内容が非常に説得力があり、また曖昧な推測ではなくどういう作業を行い、どういう結果が出ていて、今現在の状態の説明と今後どういう作業をする予定で、それの成功する確率やその根拠など理路整然とまとめられていたと思います。

政府や東電の発表がシドロモドロで丸っきり信頼が置けず、今日になって放射線の測定値を「健康に直ぐに影響はない値」と曖昧な表現に変わり何処かで情報の操作がアリアリと感じられる状態なのと比べ、NHKの放送にはキチンと時系列のデーターが数字で示され、それによって起こっていると推測される現象と対策とその効果が説明されており、距離によって放射線の影響が減衰する様子や風向きによって放射能物質が伝播されていく状況や屋内での放射能の測定値が屋外と比べ極端に小さくなることなど、データーとともに示されることで、例え高い数値が出ていたとしてもある程度安心できる根拠が示されており、非常に信頼のおけるものでした。

また、NHKにしては珍しく「政府や東電の曖昧な発表によって国民の多くが混乱した」とキチンと独立した報道機関として痛烈に批判していることで、これは異例なことではないかと思います。

福島第一原子力発電所で起こっていることに関する解説も適切で、今までのどの報道機関よりも一番状況を詳細に、しかも正確に伝えていたと思います。何が危険で、どういう懸念があり、その為にどういう対策が必要か。その過程で起こる現象と周辺地域への影響や健康を守る為の具体的な対策など、危険はあるがキチンと対策をすることで影響は殆ど無くすことが出来るとする点など、無策に「健康への直接の被害はない」と繰り返す政府発表よりどれだけ真実味があるかと思います。

物事には絶対というのはないと思いますが、常識的に起こり得ないことを危険を煽るように解説する専門家が多数出演している中で、興味本位のワイドショーネタ的報道はウンザリします。私が知る限り、良くテレビに出ている専門家と呼ばれる人は、結構、胡散臭い人が多くその分野での知識も大して無いのに、声が大きく少し喋るのが上手でマスコミ受けが良いだけでその分野の一番の権威のような顔をして小遣い稼ぎをしている訳ですから、結構あくどい小悪党のようなものではないかと感じます。効果も怪しい健康器具を顔写真付きで推薦している医学博士をイメージして頂ければ良いと思いますが、現在出演している多くの専門家と言われるような人も極端な話ですが同類項で括っても左程間違ってはないと思います。マスコミや報道なんて所詮その程度のもので、特に最近の民放は酷い状況です。

まあ、NHKはあまり好きではないので持ち上げたくはないですが、NHKの解説員はその点では本当の専門家が担当していることが多く、この分野でこの人がNHKの解説員として出てくるか(良く特殊な分野の専門家なのにNHKはこの人を知っていたな)と感心したことが何度かあります。解説員の層の厚さと、依頼する際のNHK側の選択眼については、民放とは比較になりません。NHKの底力を感じる部分です。まあ、国営放送ですから当たり前と言えばそうなのですが・・・。

菅首相が現場から作業員を避難させるという東京電力の判断に「逃げるな」という趣旨のことを言ったのは、本当に愚策でこういう危機管理のない人が国のトップというのは恥ずかしい限りです。作業員が皆やられてしまったら誰が作業をするというのか?作業員として一定以上の放射線を浴びてしまえば、もう作業員として使い物にならないということくらい、ご存知ないのかということです。この緊急事態で現場を一番知っているのは誰なのか?他に代わりが居るのか?感情をブチまけて作業の足を引っ張る無能なリーダーはもはや不要です。

福島第一原発の作業員はありとあらゆる計測器が壊れ全ての機器が使い物にならない絶望的な状況の中で必死に暴走を食い止めている状況です。バカな首相に命がけでヤレと言われるとっくの昔に既に自らの意思で命がけで作業を行っているのです。東京電力のトップは如何なる言い逃れも出来ないと思われますが、現場の作業員にはそれは当てはまらない。命がけで作業を行っている彼らをせめて国を挙げて応援して励ます事ぐらい出来ないのかと思います。今しなければならないのは作業員を非難することではない、彼らが無事に作業をやり終え事故の拡大を防ぎこの危機を乗り越えられるように見守り応援し必要ならありとあらゆる支援を惜しまないことだと私は思います。そして、今回現場で関わった作業員には国民栄誉賞までは行かないにしても国から、それなりの補償と表彰があっても良いのではないでしょうか?

ちなみに東京電力のトップがキチンとした会見をしたのを私は見ていませんが、それこそ首相が国家権限で彼らの責任問題を追及し、説明責任を履行させることくらいした方が良いんじゃないですかね?それ位出来るでしょう。

菅首相が地震直後に福島第一原発と宮城県地方に行ったのも最大の愚策ですね。この事態に、自分の政治PRとしてのパフォーマンス以外の何者でもなく、今この状況で万が一首相が遭難したりしたらどういう事態になるのか考えないのかと思います。惨状を見て判断できる専門知識などある筈が無く、自衛隊や警察に無駄な作業をさせて、自らが官邸に不在になることで指揮系統が乱れ初動指示の遅れを招き、緊急事態の福島第一原発での作業妨害をした訳ですからそれこそ大罪です。極端な話ですが、現地までの移動手段となった自衛隊のヘリコプターが、その場で救援活動をすれば2~3人位の人命は救えたかも知れない。的確で迅速な初動指示が出来ればあと半日、自衛隊が現場に早く入れたかも知れない。そうすれば、数百人単位での人命を救えた可能性はなかったのか?表には出ませんが業務上過失致死と同じことをこの国の首相は、自らのエゴで行ったも同じではないかと私は考えています。

民放やインターネット上の情報に辟易している中で、政府の無策に憤りを感じながらも、今回のNHKの放送は私は結構賞賛されるべきモノではなかったかと思うわけです。

以下、邪推ですがNHKの原発特番の報道が、政府の指示で行われたものであったなら、まだ日本政府にはマトモな機能があると思いますが、NHKが独自の判断で単独で特番を行ったとすれば、NHKも日本政府の無策&無知さに愛想を尽かし見限ったとも考えられます。どうなんでしょう?これってささやかなクーデター?だって国営放送ですからね・・・。