江戸の風俗や文化が好きな私ですが、きょうは江戸の職人について紹介したいと思います。


古もの見聞録-江戸の職人

これは、土壁を塗る左官職人と屋根を葺く屋根職人の仕事の様子を描いた浮世絵です。


一人前の職人になるには、長い修行が不可欠である。


江戸の場合、子供を寺子屋に通わせ、ある程度読み書きができるようになった十二歳ぐらいで、親方と呼ばれる職人のところに修行に入れる。


しかし、仕事はすぐに教えてもらえるわけではない。最初は掃除など雑用をこなし、そのうちに少しずつ仕事を見ながら覚えていく、俗にいう「仕事は見て覚えろ」というやつである。


個人差や職種によっても違うが、大体十年ぐらい修行の後、約一年お礼奉公をして独立するのである。そのさい、親方から道具と鑑札をもらう。


なお、すぐには一人立ちせず一人前の職人として親方と一緒に働き続ける場合もあった。修行中の給金は安く、休みも「薮入り(やぶいり)」(正月と盆の休み)ぐらいであった。


職人には、大きく分けて外で仕事をする出職(でしょく)と、家で仕事をする居職(いしょく)の二種類がある。


出職の花形といえば大工である。落語に出てくる「熊さん、八さん」もそうだ。


「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるように江戸は火事が非常に多い都市であった。


特に冬場は、小さくはあるが、連日発生したという記録すらある。火事で建物が焼ければそれを建て直すのに大工、木挽き(製材)、左官などの建築にかかわる職人が必要となり、江戸には大工が多かったのである(以上、「江戸の暮らし事典」より)。

ところで、私が会員になっている一般社団法人福岡県古民家再生協会の理事長は、熟練の技を持つ大工の棟梁ですが、古民家の再生に力を注いでいます。


私も古民家の再生や古材の有効活用等、少しでも支援ができればと思っています。