江戸川乱歩の小説をみなさんは読んだことがありますか?


古もの見聞録-怪人二十面相 (ブックオフで105円で購入)


中高年の世代であれば、子供の時に「怪人二十面相」や「少年探偵団」を好んで読んだこともあるでしょう。


私自身は、2年程前まで乱歩の作品を一冊も読んだことがありませんでした。そもそも、あまり本を読む子供でなかった私でしたし、江戸川乱歩の本の表紙絵があやしい雰囲気をかもしだしていて、その独自の世界を子供ながら敬遠していたようです。


ある日なにげなくいつものブックオフで105円の藤沢周平や山本周五郎の未読の小説をさがしているときに、ふと、江戸川乱歩の「黒蜥蜴」(角川文庫)が眼にとまりました。


そういえば、遠い記憶の中で、あの三島由紀夫がこの江戸川乱歩の「黒蜥蜴」をもとに戯曲を書いていたことをなぜか思い出し、買って読むことにしました。


読みはじめてみると確かに評判どおり乱歩独自のあやしい世界が展開されて、大正時代ないし昭和初期にタイムスリップしたような感覚を覚えました(もちろん、その当時の作品ですが)。


そして、この乱歩の世界にはまってしまいました。


それから、次々と色々な作品を読みすすめています。


まだ、読んだことがない方にも乱歩の世界を味わって欲しいとおもいます。


そもそも、私は、残虐性の強い表現やエログロな小説は嫌いな方です。乱歩の作品もそういったたぐいのものだと先入観をもっていたため、いままで手にする機会がなかったのかもしれません。


乱歩作品は、決して残虐性やエログロを売り物にするものではありません。


私の表現力不足で適切な説明ができないのが残念です。とにかく、乱歩ワールドなのです。


ただ、作品によっては、乱歩独自の世界であるが故に結構きつい感じをいだく方もいるかもわかりません。


でも、一度触れると私と同じようにハマッテしまうかも・・・・・・・


今では、乱歩が影響を受けた当時の欧米の作家の作品にも魅入られています。


コナンドイル(代表作・シャーロックホームズ)、モーリスルブラン(代表作・アルセーヌルパン)、エラリークィーン(代表作・Yの悲劇)、ウイリアムアイリッシュ(代表作・幻の女)、ジョンディクスンカー(代表作・火刑法廷)・・・・etc.


乱歩の最高傑作とされる「孤島の鬼」や「パノラマ島奇談」などもありますが、初めて読む方は、新潮社文庫の「江戸川乱歩傑作選」をお勧めします。短編集なので読みやすく、そして乱歩ワールドを充分味わえる傑作ぞろいです。


古もの見聞録-江戸川乱歩 (ブックオフで105円で購入)


どうです! あやしい雰囲気を感じませんか? 


あなたも乱歩ワールドのドアを開いてみては・・・・・