平成15年のレントゲン写真ですが、この状態で歯周ポケットは8ミリほどあります。
歯の動揺は多少ありましたが、歯周治療で支障なく使える状態になりましたので、そのままずっとメンテナンス治療を続けてきました。
昨年いよいよ動揺が大きくなり患者さんと相談の上抜歯しました。
幸いなことに10年以上一度の急性炎症を起こすことなく使い続けていただきました。
当初は義歯の治療も考慮しましたが、患者さんの希望によりインプラント治療を行いました。
上顎の骨の薄い部分もあり、細心の注意で処置を行い、今年の1月に最終的な歯が入りました。
これからまたメンテナンス治療始まります。
最初の段階でインプラント治療という選択もあったかもしれませんが、あえて最後まで自分の歯を使い切ったうえでの処置とさせていただきました。
そのメリットとしては
10年の間にインプラント治療が進歩してより条件の良くない症例でもインプラント治療が可能になった事
患者さんが主体となって意思決定をしていただけた事
10年間のメンテナンス期間中に歯が悪くならない噛み方、生活習慣を身に付けていただけたこと
デメリットとしては
メンテナンス期間中に多少の骨吸収があり、骨の厚みが失われた事があります。
しかし現在では簡便な歯槽骨の再生療法も可能になっていますので大きな問題とは言えません。
これからまたメンテナンスを続けて行く予定です。