虫歯の治療で詰めたり被せたりするときにはどんな材料が理想なのでしょうか?


その条件は

①歯と同じくらいの擦り減り方をすること

②歯と強力に接着すること

③欠けたり、擦り減り過ぎたりしないこと

④審美性に優れること

  

①の理由は、少しづつ自分の歯もすりへって行きます。同じようにすりへって行かないと相対的にその歯だけ咬み合わせが高くなります。そうするとその歯に無理な力がかかって違和感を感じたり、割れたり、歯周病が進行したりします。


②に理由は、最終的には接着の寿命が詰め物の寿命と言えるからです。接着が緩んでしまったら、必ず虫歯が進行してしまうので早めに処置が必要になります。


③に理由は、以前のコンポジットレジンは自分の歯よりやわらかく、早く減ることが多かったからです。減ってしまえば噛み合わせも狂ってきてしまいます。


④に理由は、やはり歯は自然な感じの方が誰でもうれしいのは確かです。経済的な理由でやむを得ず金属を使うときも多いのですが、やはりあまり目立つのは気分がいいものではありませんね。


しかしすべてを満たす材料は今のところありません。

どの要素を優先するかによって使う材料は代わってきます。


保険治療に一番多くつかわれる

パラジウム合金だと①と④が満たされません

コンポジットレジンだと③を満たしませんが、大きな虫歯でない詰め物の治療であればだいぶ満足できる様になってきました。


セラミック系の材料は硬くてへりにくく変色もしないのですが、硬すぎるので細心のかみ合わせの調整が必要である欠点もあります。強い衝撃が加わると割れる可能性もあります。


患者さんの噛み方や力の強さ、虫歯の大きさ、その他いろいろの条件や、それぞれどの要素を優先させるかによって使う材料を変えていきます。