久々の投稿です。

今回は大震災復旧工事の現況報告とこれまでのまとめです。

①1月27日、ウリハッキョにモニタリングポストが設置されました。

福島朝鮮学校アボジ会のブログ

設置場所は学校入口の坂道をくだりきったグランド脇です。
電光掲示板に逐一空間線量が表示されております。
だいたいの数値は「0.145μsv/h」。
福島市や郡山市の中心地にくらべ、はるかに低い線量です。「事故」前よりは高いですが。。。

②線量低減化機器等設置
昨年の12月となりますが、教室にエアコンと扇風機が設置されました。
設置費用の半額は補助でまかない、残りの半額は東京都青商会様からの援助で設置しました。
※画像は後ほどアップします。

③構内表土除去工事および校舎復旧工事が11月に完了し、現在は追加工事を進行中です。
グラウンド他、敷地内の放射線汚染物質を除去する表土除去工事ですが、当初この費用の半額は自己負担でした。しかし全額補助となり(県の補正予算)、ウリハッキョの負担が軽減されました。
去る12月26日に文科省の審査を通過したとのことで、今月中に文科省および県対策委員会に申告書を送付します。

表土を除去した結果、数値が劇的に低下しましたが、それにくらべアスファルト面の数値はなかなか低下されません。
また高圧洗浄機などで洗浄をすると、せっかく表土を除去したグラウンドなどに汚染水が流れ出す憂慮がありました。
なので、校舎前アスファルト、寄宿舎入口アスファルトの境目の2箇所にU字側溝を設置する工事を行っております。
アスファルトにたまった放射線物質が、他に流れ出す心配は少しは軽減します。

福島朝鮮学校アボジ会のブログ


福島朝鮮学校アボジ会のブログ

⑤校舎のPタイル補修
校舎のタイル1500枚をすべて張替えました。
地震と老朽化により割れたりヒビがいったタイルをすべて張替え、学生達の生活環境をより良く整えました。
もともと校内は洗浄を繰り返し行ってきたため、線量は0.08~0.05程度でしたが、これにより少しは低減するのではないでしょうか。

※今後の予定と対策
除染作業は常に進めなければなりません。
今後は数値がなかなか低減しないアスファルトをどうするか対策を立てていきます。
側溝の設置工事が済み次第、現在のアスファルトの上に新しくアスファルトを敷く工事を行う予定です。
また繰り返し行ってきた除染作業のなかでも、重労働である植込みの表土除去を今後進めていきます。
冬真っ盛りで、表土の土が凍りつきなかなか作業を行う条件ではないので、また温かくなり次第作業を計画いたします。

今後も引き続き情報をお伝えしていきます。
金宗仁
1月19日(木曜)にサッカーW杯共和国代表の中心選手として長年活躍されている安英学選手(柏レイソル所属)が、ウリ学生達の為にウリハッキョへと駆けつけてくれました。
前日は東北ハッキョにもいかれた様で...OFFシーズンで本来家族サービスや休養に充てる期間にも関わらず、わざわざ子供たちを励まそうとスケジュールを調整してきてくれました。

当日は昼食を学生らと一緒にとり、午後からは小学生との「ハンカチゲーム」や高学年、中学年との座談会を。

福島朝鮮学校アボジ会のブログ

座談会ではプロサッカー選手としての、共和国代表としての自身のエピソードを語り
また学生一人ひとりに語りかけ、こどもたちの将来の夢と、それを実現させるために毎日を希望をもってすごす大切さをユーモアたっぷりにお話されていました。
「夢は実現できる」との言葉に、ウリ学生たちも希望を胸にこれから学校生活を頑張っていくとの決意をのべました。

福島朝鮮学校アボジ会のブログ

夕方まで学生達と一緒にミニサッカーを楽しみ、最後にはみんなにサインを。
学生達にとって忘れられない大切な一日となりました。

福島朝鮮学校アボジ会のブログ

安選手の柔らかで優しく、まっすぐで堅実な人間性にウリ教員や父兄たちもメロメロ。。。

安選手が福島の子供たちにあたえてくれた「夢」は何よりの応援となりました。
J1での今シーズンのご活躍、福島トンポ一同となって応援してまいります!


最後に、この日の福島ハッキョ屋外環境放射線データです。
※簡易測定器「はかるくんⅡ」で地表1cmのγ線を計測
福島朝鮮学校アボジ会のブログ

12月7日(水曜)から福島ハッキョが再開し、8日(木曜)には「一時避難した福島ハッキョ学生たちを歓迎する会」を開催しました。
当日やその後の様子は福島朝鮮初中級学校ブログを参考にしていただければと。。。
http://blog.goo.ne.jp/chongsongchol

さて、10月は学校の屋内補修工事と屋外除染工事が行われていたために、モニタリングは実施しませんでした。
12月に福島ハッキョが再開したため、改めて屋外のモニタリングを行いました。
※計測機器:はかるくんⅡ(γ、β線)


黒字の数値がγ線(単位はμシーベルト/h)
⇒ガンマ線はコバルト60やセシウム137などの放射性物質の自然崩壊により発生します(外部被曝の見地から計測)。

オレンジの数値がβ線(単位はcpm)。
⇒ベータ線は、トリチウム(水素の同位体)、炭素14、燐32、ストロンチウム90などの特定の放射性物質の自然崩壊によって発生します(内部被曝の見地から計測)。

福島朝鮮学校アボジ会のブログ

このブログには9月26日に観測した放射線モニタリング結果も掲載しました。
それと比べてみても、全般的に数値の低下が見られます。
この間の人海戦術による除染作業と、表土除去の効果がはっきり現れています。

①目に見える成果
グラウンドの中央数値(19番)が0.674μsv/hから0.111μsv/hへ
寮別館前(1番)が0.745μsv/hから0.136μsv/hへ
遊戯場中央付近(6番)も0.722μsv/hから0.114μsv/hへと。。。
この他の箇所も数値が低減しました。
主に表土除去作業を行った箇所が数値が下がっていることがわかります。

②今後の課題
校舎中央広場(10番)は0.447μsv/hから0.371μsv/h(β線189cpm)
校長室脇通路付近(12番)は0.441μsv/hから0.325μsv/h(β線101cpm)
結果的にはアスファルト面の劇的な数値の低減は見受けられませんでした。
それでも高圧洗浄機による洗浄と化学のりによる除染を繰り返し行った結果は出ております。

対策としては。。。
アスファルト面の数値低減を目指し、何らかの工事を実施する必要があります。
高圧洗浄機を繰り返し行うことも一つの方法ですが、放射線物質を含んだ汚染水が、せっかく整備したグラウンドや遊戯場に流れ出す危険性を伴います。
化学のりによる除去作業は、ピンポイントで行うには効果覿面ですが、全体的となると正直難しいのではないでしょうか。
今後、アスファルトとグラウンドの間に排水溝を設けるだとか、アスファルトを新しく入れなおすなどの対策も必要となることでしょう。

全国の暖かい支援と応援があり、今回福島ハッキョは再開することができました。
しかしながら正直疑問視する意見もありますし、課題も多々あります。
いまどのような環境でウリハッセンたちが過ごしているのか。。。
専門家ではありませんので、何一つ正確な答えを導き出せませんが、このブログにアップしたデータが一つの参考となればと思います。

金宗仁