法律のことをよく知らない人でも、「憲法」というものがあることはたぶん知っているだろう。
新聞とかニュースとかでも時々「憲法改正」がどうたらこうたらとか言ってるのを耳にしたことがある人も多いと思う。
じゃあ、憲法って何ですか?って聞かれると、よくわからん、という人も多いはず。
僕も、法律の勉強を始める前まではそうだった。
で、わからないなりに想像してみて、憲法には「法」という字がついてるから、「法律」のことなのかな、と思ってしまうかもしれない。
でも、「憲法」と「法律」は全く違う。
一体何が違うのか。
ざっくり言うと、
憲法は「国家権力に対するルール」を定めたものであり、
法律は「国民に対するルール」を定めたものである、ということ。
国家権力というのは、以下の3つ:
1. 立法権(=国会が担当)
2. 行政権(=内閣が担当)
3. 司法権(=裁判所が担当)
中学時代の社会科で習った、「三権分立」ってやつだ。
このうちの「立法権」は、すなわち「法律を立てる(=法律を作る)権力」ということになる。
そうそう、「法律」というのは、「国会」で作られるんだったな。
で、国会は法律を作るわけだけど、国会が好き勝手に法律を作っていいわけではない。
国会は国家権力の一つなので、「憲法」が、国会に対して、「憲法に反する法律を作ってはいかん!」とルールを定めている、ということだ。
つまり、法律は国会が作るけど、どんな法律も憲法に違反してはダメってこと。
逆に言えば、憲法に反していなければオーケーで、法律は、国会によってどんどん新しく作られたり、あるいは改正されたり、あるいは廃止されたりする。
2026年7月現在、日本には約2,000もの法律があるという。結構たくさんあるね。
刑法とか、民法とか、道路交通法とか、個人情報保護法とか、法律というものは、ぜ〜んぶ、「〜法」という名前になっている。
これらの法律はすべて国家権力に対するルールではなく、基本的に国民に対するルールを定めたものだ。
これに対して、憲法は国家権力に対するルールを定めたもので、数も一つだけ。
日本国憲法。
じゃあ、これはどうやって作られたのか?
それを知るには、歴史を少々さかのぼる必要がある。
日本の歴史を見ると、太平洋戦争が終わったのが1945年8月15日。
敗戦した日本は、その後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)によって占領、統治された。
終戦前までの日本は軍国主義であり、国の主権は天皇にあった。
一番偉いのは天皇だ、だから国民は天皇に従い、天皇のために命を捧げなくてはならない、という考え方の国だった。
当時はそんな考え方が世間一般の常識だったので、たくさんの日本人が戦争に駆り出され、命を落としたわけだけど、結局日本は敗戦してしまった。
戦後の日本を統治していたGHQは、それまでの軍国主義で天皇主権の日本に対し、非軍事化と民主化を進めなくてはならないと考えたんだな。
なお、終戦前までの日本にも「大日本帝国憲法」という憲法があったんだけど、この憲法では、とにかく天皇が偉い。主権が国民ではなく天皇だったからね。
天皇が偉すぎて、その暴走を止められないのは良くないってことで、GHQの主導で、天皇主権の「大日本帝国憲法」を廃止し、新たに国民主権の憲法を作った、というわけ。
そうやってできたのが「日本国憲法」だ。
日本国憲法は、1946年11月3日に公布された。
公布というのは、こういうのができたよ、と広く国民一般に知らせる、ということ。公布の時点ではまだ有効ではなく、正式なものではない。
で、それから6ヶ月後、1947年5月3日に、日本国憲法は施行(しこう)された。
施行というのは、正式なものとして効力を発生させ、運用を開始する、という意味。
憲法の公布の日は、今では「文化の日」で、
憲法の施行の日は、今では「憲法記念日」で、
どちらも国民の祝日になっている。
というわけで、日本国憲法は、1947年の施行から、約80年、今も日本の憲法として存在している。
しかも、日本国憲法は、施行されてから現在(2026年7月)まで、一度も改正されていない。
日本国憲法は、普通の法律よりも、改正のための条件が厳しくなっていて、そのことも憲法の中のルールとして定められている。
以上、憲法と法律の違いについて、主だった部分だけ、ざっくりとまとめてみた。
★正しい内容を書くよう努めていますが、なにしろ素人の独学ですので、この記事の内容の真偽、正誤については、読者の皆さんご自身の責任でご判断ください。(久末 圭介)