こうして、ナオミは帰って来た。
モアブの野から戻った嫁、
モアブ人の女ルツと一緒であった。
ベツレヘムに着いたのは、
大麦の刈り入れが始まったころ
であった。
さて、ナオミには、
夫エリメレクの一族に属する
一人の有力な親戚がいた。
その人の名はボアズであった。
モアブの女ルツはナオミに言った。
「畑に行かせてください。
そして、
親切にしてくれる人のうしろで
落ち穂を拾い集めさせてください。」
ナオミは「娘よ、行っておいで」
と言った。
ルツは出かけて行って、
刈り入れをする人たちの後について
畑で落ち穂を拾い集めた。
それは、はからずも
エリメレクの一族に属する
ボアズの畑であった。
 ̄ ̄
ボアズは、
刈る人たちの世話をしている
若い者に言った。
「あれはだれの娘か。」
刈る人たちの世話をしている
若い者は答えた。
「あれは、ナオミと一緒に
モアブの野から戻って来た
モアブの娘です。
彼女は『刈る人たちの後について、
束のところで落ち穂を
拾い集めさせてください』
と言いました。
ここに来て、朝から今まで
ほとんど家で休みもせず、
ずっと立ち働いています。」
 ̄ ̄
姑は彼女に言った。「今日、
どこで落ち穂を拾い集めたのですか。
どこで働いたのですか。
あなたに目を留めてくださった方に
祝福がありますように。」
彼女は姑に、だれのところで
働いてきたかを告げた。
「今日、私は
ボアズという名の人のところで
働きました。」
ルツ記1章22節
2章1〜3,5〜7,19節
・補足・
飢饉のため、エリメレクは
妻と二人の息子を連れて
ベツレヘムからモアブに行った。
息子二人はモアブで結婚するが、
夫と二人の息子を失ったナオミは
一緒に行く決意をしたルツと
故郷に帰ることにした。
(ルツ記1:1,3〜6参照)