もし、私が偽りとともに歩み、
この足が欺きに急いだのなら、

ーー

もし、私の歩みが道からそれ、
私の心が自分の目に従って歩み、
私の手に汚れがついていたなら、

ーー

もし、私の心が女に惑わされ、
隣人の戸口で
待ち伏せしたことがあったなら、

ーー

もし、しもべや召使いの女が
私と争ったとき、
私が彼らの訴えを
拒んだことがあるなら、

ーー

もし、私が弱い者たちの望みを退け、
やもめの目を衰え果てさせ、
私一人だけでパンを食べ、
みなしごに
それを食べさせなかったのなら、

ーー

あるいは、もし私が、
着る物がなくて
死にかかっている人や、
身をおおう物を持たない
貧しい人を見たとき、

ーー

あるいは、
私が門のところに助け手を見て、
みなしごに向かって
手を振り上げたことがあったなら、

ーー

もし、私が金を自分の頼みとし、
黄金に向かって
「私の拠り頼むもの」と
言ったことがあるなら、

あるいは、私の富が多いことや、
私の手が多くを得たことを
喜んだことがあるなら、

あるいは、日の光が輝くのを、
月が照りながら動くのを見て、

ひそかに心を惑わされ、手で
口づけを投げかけたことがあるなら、

ーー

あるいは、
私を憎む者が衰えたのを喜び、
彼にわざわいが下ったことに
心躍らせたことがあるだろうか。

ーー

あるいは私がアダムのように、
自分の背きをおおい隠し、
自分の咎を胸の中に
秘めたことがあるだろうか。

私が群衆の騒ぎにおびえ、
一族の蔑みにひるみ、
黙っていて、
門を出なかったことがあるだろうか。

だれか、私の言うことを
聞いてくれる者はいないものか。
─ここに私の署名がある。
全能者が私に答えてくださるように─

ーー

私の歩みの数をこの方に告げ、
君主のようにして
この方に近づきたい。

ーー

…ヨブのことばは終わった。

この三人はヨブに答えるのをやめた。
ヨブが自分を正しいと思っていた
からである。



ヨブ記31章
5,7,9,13,16,19,21,24~27,
29,33~34,37,40節、
32章1節