魔王軍六大軍団長の中ではクロコダインのおっさんがお気に入り。次点でフレイザード。MEWです。
このたびリンク召喚にトークンが使用可能と判明し、来たるルール改正日に向けて、色々準備し始めた人もいることでしょう。
スケープ・ゴートなどを買いに店に走った人もいることでしょう。
そんな時だからこそ、あらためてトークンに関するルールをイチからおさらいすべきだと考え、今回の記事となります。
そんなわけで行ってみましょー。
【トークンの基礎知識】
トークンとは、カード効果によって生み出されるモンスターのこと。トークンを生み出すカードは様々ですが、印象的なのはスケープ・ゴートや冥府の使者ゴーズなどでしょうか。
※ 以降、トークンを特殊召喚する効果を持つカードを「トークン生成カード」と呼称します
トークンが特殊召喚される事象が発生した場合、代わりのカードやコインなどといった、攻撃表示と守備表示が明確に判別できるものをフィールド上に置き、それをモンスタートークンとして扱っていきます。
この時、使用するトークンのレベルや属性、攻撃力と守備力はトークン生成カードのテキスト中に明記されており、それに従います。
トークンはカード扱いではない為、デッキ内には投入できず、破壊されたらゲームから取り除かれます。なお、ここでいう「取り除く」という行為は一般的な「除外」とは別で、本当にゲーム上から取り除かれて使用不能になる事を指します。
※以降、この取り除く行為を、トークンの「消滅」と呼称します
バトルフェイズの攻撃、リリースなどに利用することは、特にトークン側で制限が無い限り、自由に行えます。
※例:スケープ・ゴートで特殊召喚された羊トークンは、スケープ・ゴートにおける制約でアドバンス召喚のためのリリースはできないが、攻撃に参加することは可能。
破壊(戦闘・効果の両方)、除外、デッキや手札に戻る効果、リリースなどでフィールドを離れる場合、その段階でトークンは消滅します。
墓地に送られることが無いため、「墓地に送るコスト」に使用できず、「墓地に送った時の効果」が適用できません。
※例:アルカナフォースEX-THE LIGHT RULERの特殊召喚にトークンを利用することはできない
※例:ハイドロゲドンでトークンを戦闘破壊しても効果は発動できない
コストで墓地に送る事はできませんが、リリースコストや除外コストなどなら使用可能であり、例えば、機械族のトークンをサイバー・エルタニンの特殊召喚コストとして使用するといったことは可能です。
モンスター扱いであるため亜空間物質転送装置などの対象として除外することは可能ですが、その段階で消滅してしまうため、フィールドに戻ることはありません。
これらは混沌の黒魔術師等と同じで、カード効果による除外(&帰還)より、トークン自身がルールとして持っている消滅が優先されるためです。
トークンの基礎的なルールを以下にまとめておきます。
- カード効果によって特殊召喚される、カード扱いではないモンスター
- フィールドを離れる場合、消滅する
- 「墓地に送る」コストには使用できない
- カード効果によって「墓地に送る」ことは可能(効果を受けた時点で消滅)
- 装備カード扱いになる場合は、そのままフィールドを移動する(通常カードと同様の処理)
- コントロールが移動する場合は、そのままフィールドを移動する(通常カードと同様の処理)
- コストとしてデッキに戻せない
- カード効果によってデッキに戻させることは可能(効果を受けた時点で消滅)
- コストとして手札に戻せない
- カード効果によって手札に戻させることは可能(効果を受けた時点で消滅)
【トークンをカウント】
ルールブックなどには「カードとして扱われない」とありますが、「モンスター1体分」としては問題なく扱われます。
そのため、トークンがフィールドにいる状況で冥府の使者ゴーズは効果を使用できず、ドラゴン族であればバスター・ブレイダーの攻撃力アップ1体分にカウントされます。
※例:裁きを下すもの-ボルテニスの特殊召喚時に天使族のトークンがリリースされた場合、破壊するカード1枚分としてカウントされる
フィールドを離れる際に色々複雑なルールこそありますが、フィールド上などでは通常のモンスターカードと扱いはほぼ変わらないことをお忘れなきよう。
【トークンに月の書はきかない!?】
守備の概念が無いLモンスターに月の書が効かないことが、今世間を騒がせていますが、実はトークンにも効きません。
これは、モンスタートークンに「攻撃表示」と「守備表示」の2つの概念しかなく、表側表示や裏側表示といった「カードの裏表」がないためです。
そのため「裏側守備表示にする」という効果の月の書をトークンに対して打つことはできません。
同じ理由で、闇の護封剣や皆既日蝕の書を打ってもトークンの表示形式だけ変えることができず、そのままです。フィールドにトークンしかいない場合は空撃ちに該当するため、発動すらできません。
ただし、別に守備表示にできないわけではなく、あくまで表側・裏側にできないというだけなので、表示形式を変更することは普通にできます。
そのため裏側にしない攻撃封じなら問題なく適用できます。
【トークンは通常モンスター】
冥府の使者ゴーズ(から特殊召喚されるカイエントークン)が登場した頃に、OCG界隈ではちょっとした混乱がありました。
それは、「カイエントークンにスキルドレインを打ったら攻撃力は0になるのか」というものです。
これは高攻撃力を持つトークンがまだメジャーではなかった頃だったために起こった混乱ですが、実はカイエントークンに限らず、トークンは全て通常モンスターとして扱われます。
一見カイエントークンが攻撃力を変動する効果を持っているかのような印象を受けるかもしれませんが、これはトークン生成カード(カイエントークンの場合は冥府の使者ゴーズ)の方からトークンに与えられた残存効果であり、トークン自身が効果を持っているのではありません。
「アドバンス召喚のリリースにできない」という制約があるスケープ・ゴートの羊トークンも、「攻撃できない」制約のあるブロックマンのブロックトークンも、ぜ~んぶ通常モンスター。
通常モンスター扱いなのでスキルドレインは通用しませんし、デモンズ・チェーンの対象にもできません。N・ブラック・パンサーでコピーもできませんし、インフェルノイドらのレベル制約にカウントされません。
もちろん、通常モンスターを必要とする効果などにトークンを利用することも可能です。
逆に言えば、効果モンスターを指定するカードの効果などに利用することはできないということでもあります。
以前どこかの記事で「デコード・トーカーのL素材にトークンは使えない」と書いたのはこのためです。(デコード・トーカーのL素材は効果モンスターのみ使用可能)
【エクシーズ素材にはできないワケ】
トークンはX素材に使用できません。
しかし、融合召喚やS素材、そしてL召喚の素材としてトークンを使用することはOKです。この2つの違いはどこにあるのか。
X素材にトークンが使えないのは、簡単に言えば「トークンがカードではないから」です。
X召喚は「カードにカードを重ねる」という、OCGの中でも特異な召喚法であるため、カードではないトークンは「カードにカードを重ねる」行為を行えず、X素材にはできません。スピリット変換装置を使って、後からX素材にすることも無理です。
融合召喚、S召喚、L召喚はあくまで「モンスターを」素材に要求しており、それがカードである必要性が無いため、トークンを素材にすることが可能というわけですね。
なお、ルールブックには、S召喚のS素材にする際に、「素材となるカードを墓地に送る」と表現していますが、これは厳密には「素材として使用する」ということなので、コストとして墓地に送ることとは全く別です。
なので、本来は墓地送りできないトークンもS素材にできるわけです。
…でないと、墓地に送れないPモンスターもS素材にできないということになっちゃいますもんね。
L素材の扱いも、そんな感じでしょう。
【トークンはナナシ!?】
意外と知られていませんが、トークンには名前がありません。
何言ってんだコイツと思うかもしれませんが、ルール上、「○○トークン」という名前はカード名として扱われないのです。
カードとして存在しない以上、カード名称としても素材しないもの、ということでしょうか。
この仕様のため、カード名を宣言するカード効果で、トークンの名称を宣言することはできません。これも全トークン共通です。
※例:禁止令で「羊トークン」を宣言することはできない。
※例:カイエントークンをN・ブラック・パンサーの効果対象にしても、カード名は変わらない(ついでに通常モンスターなので効果も得られない)。
ただし、その名前が特定カテゴリに属するなどしていれば、その影響を受ける効果などで利用することはできます。
※例:「幻獣機トークン」は「幻獣機」モンスターとして扱う。
※例:「おジャマトークン」をおジャマ・ナイトの融合素材(「おジャマ」モンスター×2)にすることができる。
【トークンには何を使えばいい?】
トークンは表示形式を明確に識別できるものであれば何を使っても構いません。
ルールブックにもあるような代わりのカードやコイン、余ったカードスリーブ、果てはその辺のゴミを使ってもルール的には問題ありません。いや本当に。
とはいえ、あまりに巨大すぎるものをトークンとして扱うと視覚的に邪魔でデュエルに支障が出ますし、大切なプレイマットの上にゴミを乗せるのは気が引けますよね。
トークンとして使う場合、カードのように平らで、かつデュエルフィールドに明確な大きさで置くことができるものに限定した方がいいでしょう。
公式でもトークンカードを度々パックなどで収録しており、それらを使うのがベストでしょう。なお、カードの絵柄が明らかに別カードによるトークンであったとしても、何の問題もありません。
しかし、そもそも自分がトークン生成カードを使ったくせに、毎回トークンの代わりを探して、ケース内や懐をゴソゴソしたりする行為は、傍から見ているとみっともないです。
そのため(特にトークン生成カードを自分のデッキ内に投入してデュエルする場合は)、あらかじめトークンの代わりとして適切なものを自分で用意しておき、デュエル開始前には相手にも見える位置にそれを置いておくのがマナーです。
自分がトークン生成カードを使った時はもちろん、相手がトークンを探してゴソゴソし始めたら、そっと「どうぞ」「これを使ってください」などと差し出してあげると好印象ですし、デュエルもスムーズに進みます。
とりあえず、自分用のトークンくらいは常に携帯しておくと何かと便利です。
4~5枚くらいであれば、デッキを収納しているデッキケースの空いたスペースにさしておけるので持ち運びにも苦労しませんし、それくらいの枚数があればデュエルにもほぼ支障が出ないでしょう。
厳格な大会などではトークンとして使用するものを自分で用意しておく必要があり、用意できない場合はトークン生成カードの発動ができません。注意してください。
とはいえ、「トークンを使用する際には公式のトークンカードを使わなければならない」という決まりはありません。
違うスリーブに入れたカードを使用したり、他のゲームのカードを使用したり、各自で好きなものをトークンとして使用して構いません。
そのため、トークンは各人の「個性」がデッキ以上に見られる機会ともいえます。
真面目なトークンを使うもよし、ウケ狙いのトークンにするのもよし、好きなキャラクターのカードを使うもよし、トークン生成カードは投入していないけどお守り代わりに持ち歩くのもよしです。
…でも見られて恥ずかしくないものにしましょうね。
【トークンの歴史】
遊戯王OCGのトークンの歴史は割と古く、最初に登場したトークン生成カードはインセクト女王でした。ゲームボーイの「遊☆戯☆王 DM3 三聖戦神降臨(トライホーリーゴッドアドバント)」という、初見が絶対読めない名称のゲームソフトの初回特典カードとして登場しました。
当時の日本製カードゲームは黎明期まっただ中。様々なカードゲームがメジャーにならんと名乗りを上げていましたが、結局走り切れたのは遊戯王OCGを含めてほんのわずか。
そんな時期だったため、日本人のカードゲームの知識はまだまだ浅く、「トークン」などという概念を知り得たデュエリストは非常に少なかったでしょう。
そんななか、本当に何の前触れもなく突如としてカードテキストに現れた「トークン」の文字に多くのデュエリストが大困惑。
トークンの概念自体は他のTCGでは既に実装されていたシステムだったのですが、遊戯王OCGではもちろん初めて。しかも当時はまだネットの普及も満足にできておらず、情報はジャンプ関連誌から入手する程度のもの。
結局トークンの知識や情報が満足に浸透したのは、スケープ・ゴートがメジャーになった更に1年ほど後になります。
GX期中盤までは「トークンのステータスは弱い」が基本でしたが、冥府の使者ゴーズのカイエントークンがメジャーになると、その考えはなくなり、今ではS召喚などの登場もあって、積極的にトークンを生み出すカードが多くのデッキに採用されています。
しかしXモンスターが環境の主流となった後はX素材にできない点で敬遠され、トークン生成カードは一時環境からナリを潜めることになりました。
余談ですが、X召喚の情報が世に出回った頃、幻銃士が超高騰したことがありました。
これは幻銃士自身とそこから特殊召喚される☆4の銃士トークンとで、「1体で簡単に★4をX召喚にできる」という誤情報が出回ったためです。その結果は…皆さん知っての通り。
L召喚にトークンが使用できるとわかった今、再び幻銃士が脚光を浴びる時が来ました。
もちろん超高騰しましたよっと。
そして、来たる3月25日。
リンク召喚の登場・導入とともに、トークンがどのような活躍をするのか。
それはまだ、誰にもわからない。