末期がんで余命もあとわずかと診断された患者さんで、奇跡的に完治する方がいらっしゃいます。
そんな方々の多くに見られる一つの傾向があるといいます。
それは、自分は死にたくないともがくのではなく、残された時間、人間としてどう在るべきかを考え、少しでも周りの人たちの役に立ちたい、周りの人を幸せにしたいと行動していた、という傾向です。
心身ともにぎりぎりの状況の中で、相部屋の患者さんを気遣ってお世話をしたり、地域の人のために施設を掃除して回ったり。
自分の体調のことなんか忘れて、周りの誰かのために没頭して何かをやっているうちに、がん細胞が消失していた。
そんなケースがあるというのです。
人間は「人の間」と書くように、社会的生き物です。
ですので、自分一人のためにがんばるよりも、周りの人のためにがんばる方が多くのパワーが湧いてくるのかもしれません。
社会全体で見た場合、自分一人のためにがんばる人がパワーを持つよりも、周りの人のためにがんばる人がパワーを持つ方が、当然社会もよくなります。
人類発展のために人間のDNAはそういう設計になっているのではないかと思います。
オリンピック選手でメダルを獲った選手は、みんなインタビューで周囲の人への感謝の気持ちを伝えます。
自分のためにメダルを獲ろうという気持ち以上に、応援してくれる人たちのためにメダルを獲ろうという気持ちが強くなった結果、大きなパワーが発揮できて願いが叶っている気がします。
周りの人を幸せにしようとした結果、自分も幸せになる。
人間とはそういう習性をもった生き物なのかもしれません。