清水戦
「走っている選手の足元に、スピードを止めないように、正確に出すパスが一番早い」
というのが、川崎フロンターレのサッカーの根幹だったけど、
今は「止まっている選手の足元にパスを出す」になっている。
2018年までは「止まっている選手の足元にパスを出す」になってしまったとき、
問題を解決する「出して、受ける」アクションのスペシャリストがいた。
森谷はこういう局面で何度もチームを救ってくれたし、エウシーニョもそんな役割を担っていた。
今のチームには、ボールを持って、周りに敵がいない場合は、
素晴らしいプレーができる選手はたくさんいる。
でも、ボールを持っている選手が活躍できるスペースを作れる選手がいない。
相手をアクションで動かせる選手がいない。
今シーズンの試合を見ていると、アクションを起こした選手にパスが出ない場面が多い。
たぶん、ミスをしたくないからだと思う。
ミスに厳しいのは悪いことではないけど、チャレンジして生まれたミスと、
やってはいけないミスを同じようにチームで扱ってしまってはいないか。
アクションを起こした選手に対して、パスという手段で応えてあげるのが、
サッカーのコミュニケーションの基本。
この基本が成り立たなくなると、徐々に人を信用しなくなり、ミスを恐れ、アクションが止まる。
そして「言われたこと」だけやるようになってしまう。
これをどれだけの選手が理解してプレーしているか。
これをどれだけのサポーターが理解してサポートしているか。
上のことは今に始まったことじゃなく、前からその節々はあった。
チームとして結果さえ出ていればそれでいいのか。
チームとして、選手個人個人がサッカーの根本を考え直す時なんじゃないかと。
この状況を乗り越え、また勝ち続けられるようになれば、
きっとフロンターレの時代があと10年は続く。
クラブとして、チームとしてこの根本をベースにチーム作り、選手作りをしていくべきだと思う。
次の更新は…
また気が向いた時に(笑)