宮田比呂志さんの馬券術の紹介も今日で7回目ですが、いくら勉強のためとはいえ、自分の著作でもないものを勝手に引用させていただいているわけで、そろそろ終わりにしないといけないと思っています。
ここ数回は、当日予想のポイントの話になっていますが、宮田さんは【枠連法則】、【枠人気法則】、【枠の強弱】の3つを挙げています。前回は【枠人気法則】:馬の人気ではなく枠番の人気順をもとに、本命サイドのレースになるか、中穴・大穴(波乱)のレースになるかを予測するというものでした。今日は、3つめの【枠の強弱】です。
奇数の場合はまだ動く ――
【枠の強弱】
中央競馬の馬番は抽選によって決められており、各馬番が決定してのち1枠から8枠までの枠番が切られます。人気があろうがなかろうが無作為に決定されるわけですから、理論上では各枠は均等に出てもいいのですが、そうはならないんですね。
日によって頻繁に出る枠もあれば、ちっとも出ない枠もある。(枠番連勝の)枠の出現傾向を10レースまでの動きから数運を先取りして、メインと最終レースに活用しようというのが【枠の強弱】です。
<強目枠> 頻繁に出る枠を強目枠といい、4回がボーダーラインです。これ以上出る突出枠は、東京・中山・京都・阪神の中央競馬場では上限6回、その他のローカル競馬場では上限9回出るというのが私のデータです。その確率は46%となっています。
08年1月19日の京都競馬場では8枠が8回も出て驚かされましたが、これは特異なケースですわ。どんなデータでも必ず突出した数字が現れますが、それは例外と捉えたほうがいいようです。基礎データはあくまで積み重ねの平均値をものさしにすべきで、でないとブレが生じて武器として用をなさなくなるからです。
<弱目枠> まったく出ないか、出ても1回という枠を弱目枠という。10レースまでの枠の出現回数を調べ、弱目枠が3つあった場合、11レースか12レースではその3つの弱目枠のどれかが出ます。その確率は43%ですから、覚えておくべきです。
この他、……均等な出現をしているのに、取り残されたようにまったく出ない枠があった場合も、そのあと出る確率が高いので、出るまで追いかけるのも有効な手段です。
出現回数の数字では、回数が偶数の場合はおさまっており、奇数の場合はまだこれから動くエネルギーを持っている、とみるべきです。私の長年の統計では、そう表れています。2・4・6よりか、1・3・5の回数の枠に注意を払うべきでしょう。
……以下、本文のデータが古いので、比較的新しいところで、5/17(土)の京都競馬場の場合でみてみます。10レース終了までの枠の回数はこうなっていました。
1枠 1回
2枠 2回
3枠 1回
4枠 4回
5枠 1回
6枠 4回
7枠 2回
8枠 5回
強め枠の8枠は5回と奇数なので、まだ出る「エネルギー」をもっていると見るべきでしょう。実際次の11R鞍馬Sでは1着が8枠のオタルエバー(⑧人気)で、①②人気が馬券圏外に消えて、高配当となりました。他方、弱目枠の1・3・5枠は、つづく12Rで出現して、2着が1枠のホルトバージ(3着が5枠のトーレ)で、こちらも①②人気が馬券から漏れたので、わりと好配当となりました。
10レースまでに熱くならない ――
10レースまでの【枠連法則】【枠人気法則】【枠の強弱】を調べて流れから数運を読み取り、メイン、最終の11・12レースに活かすのが宮田宇宙流です。
ただし、3つの方法論の一つだけにこだわってはいけません。ゆったりとした気持ちで高見から見ているつもりで、その日、もっとも特徴的なものはどれかを見極めて、方法論を柔軟に選択していくことをぜひ身につけてください。
そのためには10レースまでに馬券で熱くなってしまったり、直前になって枠人気や枠の出現回数をあわててチェックしたりするようでは、とても冷静に「数運」を読むことはできません。私たちが狙う2レースの資金は別途にしておき、それまで「今日はどんな数運が発信されるのだろう?」と流れを探る程度に控えて、静かなところに場所を移し3つの法則を検討するといった態度で臨んでほしいものです。
(宮田比呂志『「数運」をつかむ技術』 64-70頁)
<続 ※次回終了予定>