おはようございます
いつもお読みくださり
ありがとうございます

万全で見物できず感想おおまかです

六月大歌舞伎
昼の部
上州土産百両首

初演は初代吉右衛門・六代目菊五郎

大阪松竹座で芝翫・菊之助
映像で三代目猿之助・十八代目中村勘三郎で観ました

今回は獅童・菊之助
それぞれ雰囲気が違うものですね

そして大阪松竹座は大場演出
歌舞伎座は斎藤演出
それで何がどれくらい変わったかはちょっとわからないけど

今回は牙次郎が甘えん坊(弟分)な感じが強くてあとは舞台全体に笑わせの気分があるかな?それと!芝居全体の息・きっかけみたいなのと菊之助さんが完全一致みたいに動いてるのが印象的でした。なにかすごかったの!


芝翫さんの正太郎は硬派でハンサムハードボイルド職人味なのだけど幼友達に出逢って心がほどけていってる様子が超かわいい、みたいな感じだった気がします。正太郎のギャップが出てくるのが菊之助&芝翫コンビキュンでした。本来のこの人の道は料理人であって真っ当に生きていくべきと思える正太郎の哀愁と、そんな彼を光のある方へ導いてくれる牙次郎二人の再会の奇跡。菊之助=牙次郎に対してだけ溢れてくる正太郎の甘い雰囲気みたいなののかわいさ。菊之助さんの牙次郎は原作よりだと思いました(どこかそもそも端から全てを知っていたのではとすら思える感じ)実は導き手で居てくれる感じは神秘性をまとった無邪気さだったかも。

今回の獅童さんの正太郎は最初から漢のかわいげがある感じで喧嘩屋・渡世人的ニオイみたいなのは獅童さん強いのだなあと思いました。隼人さんとVSになって獅童さんが包丁を背中に構える姿がとても格好よかったです。渡世人的な【らしさ】があってそれがいいと思いました。愛嬌は余程芝翫正太郎より強くてコメディぽさあるけどやくざ者らしさ強めってことなのかな。
今回の菊之助さんは弟分なかわいげ全開で甘えん坊ぽさがあってちょっとドジっ子の笑いの要素も大阪松竹座と比較するとぐっと強めになってました。(登場したて履物ポーンと脱げちゃって取りに行ってた笑)12月の【あらしのよるに】が楽しみになるコンビぶりでした。


錦之助&隼人は
初っ端はワルして生きてる感じ低い?なんだか優しそう?と思ってみてたけどその後普通の人を装って生きてる人間の【人に見せる部分の使い分け】的な差が明確になってその違いがこわくてそれがいいなと思いました。
隼人さんはちょいちょい仁左さまな香りが出てる感じが教わってきたことが彼の抽斗になっていっているのだなと思えたりもして。切られ与三郎の経験値もあるからか漢✕漢の仲良し空気感も獅童さん相手に良く出ていたように思います。それがとても自然でね、よかった。
大阪松竹座のときは神秘の菊之助牙次郎VS執着系子悪魔橋之助、みたいな正太郎を間に天使と悪魔の闘いにも見えるような三角関係が強めに思えた記憶かなあ。


錦吾さんの居てくれる嬉しさ
彼の芝居の味わいと深み



懐かしの2019年7月大阪松竹座と
上州土産百両首の原作収録の文庫↓
上州土産百両首、芝翫&菊之助コンビも映像残してくれていたら良かったのになあ
コクーン歌舞伎や角力場のインパクトがあってだから私はこのペア好きなのだと思います


演出や
俳優たちでも面白さが変化していく
お芝居の無限
同じ人の同じ役でもガラッと変わったり
すごいな

客席降りもあるし獅童菊之助ペアの息の良さサービス精神もいっぱい楽しめる一幕でした


今日も素敵で無敵な一日と
なりますように

では、また