おはようございます
いつもお読みくださり
ありがとうございます

荒川区民会館・サンパール荒川
第105回歌舞伎鑑賞教室
恋飛脚大和往来
玩辞楼十二曲の内
封印切
新町井筒屋の場


私にとっては久しぶりの【封印切】だと思います。前回は何年前で忠兵衛は誰だったろう。(というくらい久しぶりです)

せっかくの玩辞楼十二曲をつとめる鴈治郎さんなのに花道の出が封じられ気味なのがフラストレーションです。短い仮設置花道にも負けず、重大な仕事任されてるのに恋に浮かれてるんるん♪な忠兵衛さん、手ぬぐい被って気取って見せる忠兵衛さんを見せてくれていました。

梅川とラブコメモードや各人のおしゃべりモード(これが“じゃらじゃする”ということですか?)感じのリアリズムはご見物置いてく感じすらあって、その空気と凄味みたいなのはなんなのでしょうね

上方チームの中にお江戸な彦三郎さんが参戦していて実は盗賊の頭領なんじゃ?みたいな迫力がチラホラ(台詞の迫力?)
でも寿治郎さんが彼の借金取りとして登場するので、この人もお金と社会の仕組みに生きていてその為の弱さもあるのだと、わかりやすい感じがしました
最後封印切のあと彼がお金のやり取りするところ自然で【お店】を感じました


亀鶴VS鴈治郎
前半のラブコメ&ナチュラル日常空気感モード。その空気の流れが途切れることはなく亀鶴VS鴈治郎二人のやり取りへと入っていきます
悪友同士の、いっそ梅川とのじゃらじゃらよりも痴話喧嘩じみるやり取り・言葉の応酬・行動の応酬・二人のそれぞれの意地や見栄や弱さ、その縺れていきよう
どんどん引き込まれていきました。
追い詰められていく忠兵衛の様子に倒錯したサディスティックな感覚を刺激されたりもしながら(鴈治郎さんがふわと見せた弱りように柔らかい色っぽさが溢れてドキッとした。一瞬、坂田藤十郎さんを思い出した)
すっかり感情移入して
泣かされてしまいました
ひどく彼の気持ちがわかる気がしてしまう
(↑すっ短気大明神様とは私のことよ)

何よりも追い詰められていく忠兵衛の様子に彼の故郷を思えて故郷の風を感じられてそれで涙腺が緩まされた気がします

緊迫感。亀鶴・鴈治郎のお役のお腹の中の動きと応酬ぶり見事でした。

鴈治郎さんの封印切は自分の意思というよりは意思せず飛びだした小判をきっかけにして、に見えました。凄く自然に小判が溢れてくる・・・飛び出してしまう感じなのでドキッとしました。ほんとアクシデントぽいのよ!手品師みたいです。舞台作る人達はみんな。
自分の意思や覚悟というよりはアクシデントきっかけぽいのに梅川を死に誘う言葉がちょっとズルい気がします。ズルいけど人間の弱さのリアルがある気がしました。

亀鶴さんの八右衛門のケロッとやな奴な様子
お金はいっぱいあるし犯罪者でもないけど好かれてもいない、でもどこにでも居そうなあんちゃんぶり!

(日常だったはずなのに魔が訪れるその瞬間への段階が、綿密なお芝居なんだなと、記憶をたどりたどり感動してたりです。ほんと事件を目撃した感覚です)



翫政さんは本編では大尽役で出演大活躍ですね
仲居達、太鼓持ち達
お店の雰囲気をよくつくってくれていました

鴈成さんの井筒屋おえんの艶と世話焼きな様子、再配気遣いぶり、ほのか淡く光りを感じて好きでした

梅川の高麗蔵さんはここのところ身分の高い女性の印象が強かったのですが今回は愛らしい雰囲気。好きな人が追い詰められていくのを耐えている様子が哀れでした
死を覚悟してからはぐっと強い雰囲気になるように見えました


今回の鴈治郎さんの凄み
やばかった・・・(超圧倒されたということ)見逃さないでほしいです
花道もないし舞台も廻らないけど
鴈治郎さん演技するには不利な状況かもだけど鬼気迫ってます
この価格で見ていいのかと思うくらい



感想つづく


今日も素敵で無敵な一日と
なりますように

では、また🌸