十月大歌舞伎(2014)
十七世中村勘三郎 二十七回忌
十八世中村勘三郎 三回忌 追善

三代目中村橋之助(=八代目中村芝翫)

『三社祭』悪玉。十三年ぶり、二度目。 
「善玉もしていますが、ある程度の年齢になると体力的に大変なお役です。この踊りを得意にした勘三郎の兄に捧げるつもりで、ともに世話になった獅童さんと魂を 一つにして、楽しく演じます」。

『伊勢音頭』お鹿。貢に片思いする遊女だ。 「滑稽な三枚目ですが、純粋で哀れでもあり、廓にいる女性の気持ちが集約されているような人物だと思います。初役なので、仁左衛門の兄さん、玉三郎の兄さんに教えていただき演じます」。

『吉野山』早見藤太。静と忠信の捕縛に来る。 
「道行の舞踊劇の大きなお役で、物語のなかでパッと雰囲気を変える役目ですが、道化役のおかしみばかりでなく、武将であることを忘れない肚も大事になります」。

追善公演に思いは一入だ。
「十七代目のおじさんには『闇梅百物語』など子役のときからかわいがっていただきました。十八代目の兄とはずっと舞台が一緒だったので、もう三回忌を迎えるとは信じられ ないほどです」。