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国立劇場・第227回文楽公演
日本青年館ホール

感想続きです

第三部
双蝶々曲輪日記

歌舞伎では良く観る『引窓』と
今回はじめて見る『難波裏喧嘩の段』


吉田清五郎・竹本文字栄太夫の休演があり
下の添付画像の通りの配役に変更です



【難波裏喧嘩の段】
濡髪・・・長五郎が逃亡することになる原因となる殺人の場面でした。
追いかけられてズタボロにされる山崎の若旦那・与五郎と彼を助けたくても叶わない吾妻。長五郎は当然凄まじく強くて本当ならあっさり郷左衛門・有右衛門に勝てちゃうのにことを穏便におさめるためにあくまでも丁寧だし腰も低く紳士。でも事は収まらず命の危機に返り討ちすることになって・・・という展開で
濡髪と対立していた放駒=長吉が歌舞伎でよく観る角力場からは想像もできないくらい成長していて頼もしい男ぶりでした。(一人やるのも二人やるのももう同じだろ言動にはびっくりしたけど)長吉はおねーちゃんの説得で濡髪と義兄弟になったんだって。長吉のおねーちゃんすごいな。何があった。気になるその場面、観たい。で、歌舞伎で私が抱いてきた長吉の印象よりヤンキーな感じというか不良な感じというか。ヤンキー漫画見てる感じがしてきましたです。はい。
で、追い詰められる濡髪の姿、命がかかった戦いに強さ溢れる濡髪、格好良かったです。
最後は長吉が彼に『Ran!濡髪!Ran!』って感じです
王道というか
やっぱりときめくよね
いいよね

【八幡里引窓の段】

物語の要である『引窓』の位置が家の中央にあって(下に舞台写真有り参考にどぞ)歌舞伎との違いが面白かったです。明かりが必要と言うなら歌舞伎みたいに渡り廊下?を照らすよりは文楽のほうが見た目の理屈的には自然な気がしました。
文楽のほうがやはり物語のテンポは良い気がします。ダレにくい気がする。

お早とお母さんが一緒にお月見の準備をしていていとおしい。文楽の描いてくれる生活感の力は大きくあっという間に心を掴まれる感覚があります。目の前にしている光景や人物に親しみが湧くということなのかな。

濡髪が人殺しを行っている場面を見たばかりなので彼の角力取とはと母親に話す台詞が辛い。立派な人なのに。恥ずかしいことなんか無かったはずなのに。プロにはプロの難しさがいっぱいあってでも、凱旋里帰りしてておかしくない人のに。ここまでのぼりつめて、たくさんの人達に尊敬されて愛されて、きたのに、逃亡者になってる姿が苦しかった。
母親の説得に負けるとこ、この日拍手起きてました

南方十次兵衛はずっと登場から冷静そうで淡々としていかにもお役人さんって感じでお腹の中がなかなか読めないのだけど、その淡々としたお話の運びぶりにお母さんも黙々と物事を進めようとしている様子なのだけど、彼に実にさり気なく実子の存在について触れられた途端、一気に気持ちが溢れこぼれ出るところ泣きたくなってしまいました。急所を突かれた人間の動揺の、せつなさ。

十次兵衛がお役人の話しぶりからいっきにふだんのくだけたお話言葉になるところも歌舞伎よりはっきりしていて(わかりやすい)どんな気持ちで・・・と思うと泣いてしまう

この日聴いた印象だと
血のつながった母子がメインになっていて
血のつながらない親子である
お早と十次兵衛の然りげ無い、程の良い距離感のある優しさが、いいな、と思いました
(今まで見てきた『引窓』の否定ではありません)
前の幕では義兄弟の契の長吉も濡髪を助けてくれるし
血だけじゃないたくさんの絆がいっぱい溢れてるなと思いました

濡髪は、長五郎は、
ずっとずっと白星だいっ!

国立劇場Xより

私は万年初心者、勘違い大魔王
まだのみこみきれてない理解してないところいっぱいですゴメンナサイ
もっともっと味わえるようになっていきたいです



錦糸さんの三味線の響きはミントみたいです
気持ち良いです
富助さんの深みも好きです



ああ、時間が・・・・
取り敢えずここまで!



では、また!