おはようございます
いつもお読みくださり
ありがとうございます

昨日は久しぶりに椅子ではなくお布団で横になれて一日の大半をグッスリ寝てしまっていました

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京都 南座
吉例顔見世興行
市川團十郎白猿襲名披露
市川新之助初舞台 

夜の部
仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場

感想です

実際の一力亭の近くで味わう
祇園一力茶屋の場
今もお店やっているなんてすごいことですよね。こうして続いているということに夢や希望を持つことが出来るように思います。
近くには行きましたが(写真は撮らなかった)中どんなだろう。お店の中に入ってみたいです🌸

昼の南座

この日はとてもあたたかくて冬装備だと暑いくらいでした。コート脱いで外を歩けるくらいでした。びっくり。

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今も強烈に覚えているのは平成中村座の通し狂言仮名手本忠臣蔵、切腹する塩冶判官(勘三郎)のもとに駆けつける由良之助(仁左衛門)そして塩冶判官が切腹した刀の血を舐めとる姿の鮮烈さが今も瞼にやきついています。勘三郎さんと仁左衛門さんが見せてくれた二人の絆の深さ。なので仁左衛門さんが由良之助をつとめるときは私の心に浮かぶ塩冶判官は勘三郎さんです。



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進之介さんのお顔の風情もお声も好きなので今回嬉しかったです。もっと観たい役者さんです。隼人さん染五郎さんと並んでもなかなか若々しい気配。年齢が読めない雰囲気がある人と思いました。

隼人さんもきっちりと存在感に重みも増してきましたね。
東西の反応や人気のちがいはわかりませんが京都でも認知深まりもっともっと人気が出ましたらますます頼もしく嬉しいです


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仁左衛門さんの由良之助
体調さわりはないのかと心配ですし
無理をなさっていないということはきっとないのでしょう
それでも力みのない自然体な雰囲気が増した由良之助だったと思います。
遊興にふける姿と本心を垣間見せるところとがはっきりしていて、本心を隠すための遊興なのだと思いました。でも遊び戯れる姿の風情や色気、大きさに思わず憧れてしまいますね。そして切ない。本心を見せるところは殺意をはっきり感じるようでこわかったです。ぎらりと鋭くなるその眼差しだけでぞっとしました。仁左衛門さんの由良之助の揺らぎのない意志。罪はない女性の命にも容赦がなく。でも由良之助がそれを憐れに思ってくれているのも良くわかるように演じていたように思いました。
妹と再会した平右衛門もなのですが、忠義のため、使命のための、人間の狂気を感じる気がします。でもその狂気に仁左衛門さん由良之助と(勘三郎さん)塩冶判官の強固な結びつきを感じて熱くなるのです。
仁左衛門さんの演じる由良之助から真っ直ぐにのびる道が見えるように思いました
その道は、塩冶判官と共に進む道、なのでしょうか


続きが気になる由良之助です
最後まで
討ち入りまで
観たくなった


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莟玉さんの力弥
3階席だったので全景は捉えてないけれど花道の出に彼の空気が感じられたのが良かったと思いました。柔らかい雰囲気つよめだろうという私の予想とはちがい強さの方を感じた力弥でした。若い頃の梅玉さんのことは私はわかりませんが『似ているのでは』と不思議と思った姿でした。詳しくないのでこれは妄想の類になってしまうけれどでもそう思いました。この役に挑む懸命さのほうが前に出ていたようにも思いましたが(←つらそうな感じがあった気がした)仁左衛門さんとがっつり取り組めるこの日々、存分に力弥を生きてほしい。私が抱く莟玉さんへの期待はとても大きいです。


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先月はひと月ずっと一日も欠かさず観ることが叶った芝翫さん。今月はこの一日だけ。寂しくて恋しくてなりません。宝くじがあたったら私は全部お芝居に使ってしまうでしょう。

さて

孝太郎さんのおかるは
おしゃべりが好きそうな雰囲気
積極性が見えるような中に
ベテランの母親味を感じたりしましたが
でもこそ
人の恋文を盗み見ようとしてしまうおかるの性格に説得力があるようにも思いました。
芝翫さんの平右衛門と二人、とても兄妹らしい様子だったと思います。仁左玉は兄妹設定でも甘い雰囲気が強かったですがこの二人はリアルに兄妹な感じ。小さな頃は一緒に泥だらけにもなったかもしれないような仲の良い兄妹に見えました。

芝翫さんの平右衛門は線が太め男ぽい男臭さ濃厚なあたたかさ優しさを感じました。すっぽり妹を受け止めてくれる様子でした。妹に刃を向けるときもどこまでもどこまでも男臭いあったかみがあって自然で(私彼に殺されても良いかもと少し思考が血迷いました)兄が木の上に昇っておりれなくなった妹を励ましているようなお声にも聞こえたのです。懐かしいようなそんなあたたかさ。(でも殺そうとしてるのですが)この花道でのやり取り思いの外テンポが良かった気がしました。
感想前後しますが兄妹がお互いにあにいもうとと理解した時の再会の喜び、ごく自然で、嬉しそうな、ふるさとのお互いに戻ったような姿、素敵でした。二人で故郷に帰って無事に過ごしてほしい。そう思ってしまうような。でも。

芝翫さん平右衛門をとても活き活きと演じている様子で嬉しかったです

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松本錦吾さんの斧九太夫は
欲深そうな印象はあまりなくてどちらかというと人が好さそうに見えました。さっぱりしてみえたかな。でも
仁左衛門さん=由良之助の本心を探るため酒を共にし肴の蛸を食べさせるところは二人とも演じているというよりそこに自然に生きていて舞台の上にこのように自然なふうで居られる二人はすごいなと思いました😳


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片岡松之助さんの鷺坂伴内は
おかるへの下心がにじむ台詞がなんともかわいらしく。おかるが大好きなのが伝わって全く憎めなくなってしまいました☺️
かわいいおやじめ!😆✨



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改めて
戸板康二さん訳の
世界文化社『ビジュアル版日本の古典に親しむ⑪〜仮名手本忠臣蔵』(2006年初版発刊)の主要人物事典に目を通すと寺岡平右衛門のモデルとなった吉良邸討入時裏門隊となった寺坂吉右衛門信行は泉岳寺門前で去らされたことが書かれていました。逃亡者ではないと。討入時は39歳で没年は83歳だったそうです。事典では討入後彼がどんな人生を送ったのか等わかりませんが少なくともモデルとなった史実の人が長生きをしていたことに少しホッとしたように思いました。生き残った人間の辛さも思わねばならないでしょうが・・・。こうして逃亡者云々と記述されるあたり・・・

物語は物語・史実は史実で別なものですが・・・。
生き残ってほしい理由があったのかなぁ等想いを巡らすのは嫌いではありません

おかるもこの事典によると実在の人物がモデルとのことで驚きました。平右衛門の妹ではないそうです。モデルとなった女性の死没場所は京都とのことなので彼女の弔いにもなるなと何か涙腺が・・・彼女に限らず物語が今もこうして演じられて私達の心を揺さぶることの意味を思いました

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ひと月一日も欠かさず芝居に通ったので芝翫さんにいつか褒めてもらうのが目標の一つに加わりましたが、平右衛門いっぱいおかるを褒めてくれるので、ほんのちょっぴりだけその願望は平右衛門の芝居で叶えてもらった気分でした。

コロナ渦が去ったら絶対叶えるんだ。
推しにサイン貰うんだ。頑張ったねと一言添えてもらうんだ。おー!


う、遅刻しそう
ここまで!

今日も素敵で無敵な一日と
なりますように

では、また