ジャズ・カントリー
ナット・ヘントフ
木島始=訳
晶文社
トランペットに夢中の白人の少年がニューヨーク・グリニッチ・ヴィレッジのジャズメンの世界へ飛び込む青春小説。
まだほとんど読め進めていないので
テーマ『本』として紹介できなくて『ひとりごと』に分類しました
人物たちのことも主人公の状況も把握できていませんが
冒頭から
こんなことばが心に留まったので
書いておこうと思いました。
ベース奏者ヒッチコックに
自身の演奏を聴いてもらう主人公。
その演奏に対して。
ところどころ、かなり省略していますが…
『おれの耳に全然入ってこんのは、だな』と、ヒッチコックは、だらしない座りかたから身を起こして、ぼくのほうにからだをもたせかけてきた。『きみが何者かってことだ。きみがまあひとかどの人物であれば、のことだが。きみは、まるでトランペットをいじってるみたいだ。きみは、吹きながらいい気になってるってだけじゃなくて、吹けるってんでいい気になってるな、どう見ても。だが、きみは何も生い立ちを物語ってやしないぜ』
『僕にはまるで魂(ソウル)がないってことですか?』
という主人公の問いに
チャーリー・パーカーの言葉を引用して
『“音楽ってのは、君の経験だ、君の思想だ、君の知恵だ。もしも音楽を生きなきゃ、音楽がきみのトランペットから生まれてくるわけはない”』
『きみは何者かってことだ』
このことばが、気になって。
音楽は詳しくないのですが
『魂(ソウル)を感じる』『感じない』という表現
その“感じ”
生き方、生き様を感じる、ということ???
お芝居と関連させるのは
ちがうかな
でも、全然違うこととは思えなくて。
む、むずかしい
けれど
私が
舞台の上の役者さんに
ハッ、とするときの“感じ”が
『ソウル(魂)を感じる』ということかなと、思いました。
舞台の上の役者さんに
ハッ、としたものを感じたとき
私は『気持ちよいな』『素敵だな』と。
もっと
この人を感じたい、と思うのだと
『ハッ!』
に出会いたいと
いつも
求め続けているのだとおもいます。