天国のお姉ちゃんと世界旅行 津波で姉亡くした9歳へ、サンタの贈り物 | 映画・AKB48G・乃木坂46・欅坂46・その他blog

天国のお姉ちゃんと世界旅行 津波で姉亡くした9歳へ、サンタの贈り物


東日本大震災の津波で当時6歳の姉を亡くした宮城県石巻市の佐藤珠莉(じゅり)ちゃん(9)が、フィンランドでサンタさんに会った。



姉と自分の人形を世界中に連れて行って――。昨年のクリスマス、サンタさん宛てにそう手紙を書いたら、「人形はわしと一緒に旅しているんだ」「会って話がしたいな」と招待状が届いた。

震災で姉とお別れ サンタに託した少女の願い




今年のクリスマスには、世界中を旅する人形の写真を届けてくれるはずだ。

 11月28日、フィンランド・ロバニエミ市の「サンタクロース村」。木造の建物が並ぶ一角のオフィスで、珠莉ちゃんはサンタさんと対面した。


姉の愛梨(あいり)ちゃんの遺影を抱え、緊張した様子の珠莉ちゃんを気遣うように、サンタさんは「人形はわしと一緒に、たくさんの国を旅してきたんだ」と切り出した。



珠莉ちゃんが「世界旅行の写真をもらえますか」と尋ねると、「クリスマスの日に届けるよ」と約束してくれた。

 珠莉ちゃんは震災の年から、クリスマスに「おもちゃはいらない。お姉ちゃんが帰ってきてほしい」とお願いしてきた。三つ違いだった姉は、幼稚園の送迎バスの中で津波にのまれた。

 そんな珠莉ちゃんが、自分と愛梨ちゃんの人形をプレゼントにもらったのは、一昨年のクリスマス。昨年のクリスマスには、サンタさんに「2人の人形に世界旅行をさせて」と手紙を書いた。姉の代わりに、人形に世界中を見させてあげたかったからだ。すると人形はこつぜんと姿を消した。

 実は、母親の美香さん(41)から話を聞いたNPO法人「ガーネットみやぎ」(宮城県村田町)が、ネットで海外へ行く人に協力を呼びかけていた。人形を一緒に連れて行って下さい、と。

 人形はベトナムを皮切りに、オーストラリアや米国など20の国や地域を巡り、観光名所などで写真に納まった。








そして11月初め、美香さんと一緒にサンタクロース村へ来てほしいと書かれた招待状が届いた。

 珠莉ちゃんはサンタさんに、別れ際、練習した英語で話しかけた。「Can you see me again?(また会える?)」。サンタさんは笑って答えた。「夢の中でトナカイと一緒に会えるよ」

 ガーネットみやぎは、世界旅行のフォトブックへの寄付を12月31日までネットで募っている。(茂木克信)