ショパン"雨だれ" | 虹色のPetit Bouquet

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来月、東京の展示会に出展する作品です。"La Goutte d' Eau"は"雨だれ"のフランス語。




メインのフレンチ草書部分は、ショパンが前奏曲「雨だれ」を作曲した時の様子を恋人であったジョルジュ・サンドが回想した文章です。

結核を患っていたショパンは療養のためサンドと共にスペインのマヨルカ島に滞在します。ところが雨季で体調は悪化。死の淵をさまよう程弱っていたのに病気を知った村人達に追い出され、人里離れたヴァルデモッサの修道院に身を寄せます。

ある日サンドが町へ買い物に出掛けたところ突然の嵐にすぐに帰ることができなくなりました。夜になっても帰ってこないサンドを心配して、身も心も弱っていたショパンは不安と恐怖に押しつぶされそうになりながら(一説によると涙を流しながら)ピアノを奏でます。

この文章を作品にしました。

"その夜の彼の作品は修道院の瓦の上で反響する雨の雫そのものでしたが、その雫は彼の想像と音楽の中では天から彼の心に落ちる涙となっていました"

そんな状況で生まれたにも関わらず穏やかで美しい旋律です。

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曲のイメージに合いそうな手持ちの小ぶりの額に、入れたい文字をどう入れ込むのか、紙は?文字の色は???…とても難しく時間が掛かってしまいました。

考えた挙句、行き着いたのはグレーの紙にシンプルにブラック一色。ポイントにゴールドをあしらいました。




こちらのレリーフは、ポーランドのショパンの生家で手に入れたもの。展示会が終わったら並べて飾ろうかなと考え中です。



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ショパンに想いを馳せながら"雨だれ"を聴いてみてください。雨音を調べに乗せた美しい作品です。



余談ですが、最後に出てくる肖像画は友人のドラクロワが描いたもの。元々はピアノの前に座るショパンの横にサンドが描かれていたのですが後年切り離されてしまいました。


サンドが居てくれたからこそ生まれた曲がたくさんありますが"雨だれ"は特に印象深い作品です。



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