「金字塔」という言葉、今でもよく使われます。後世に残る
ほど優れた業績のことを意味する言葉でして、エンゼルスの
大谷などは「金字塔」を次から次へと量産していますね。
この言葉自体が誕生したのは、江戸時代末期のことです。他
の慣用句と比べると意外に遅い気もしますが、これは外国の
文化が関係しているからです。
幕末の1864年、江戸幕府の遣欧使節団がエジプトに立ち
寄り、ピラミッドを見学して感銘を受けたそうです。スフィ
ンクスの前で写真も撮っています。
従ってピラミッドの情報は、日本にもすぐに広まりました。
そしてこのピラミッドですが、「金」の字に似ているという
ことで、「金字塔」と呼ぶようになったそうです。つまりこ
の「金字塔」という言葉は、ピラミッドを差すものだったの
でした。
ただそのピラミッドも、かなり古いものだということは当時
の日本人の知識にも植え付けられたので、そんな大昔のもの
が立派な形のまま残っていることに、大いに敬意を表しまし
た。
なので、後世にも残るような立派な業績のことを、「ピラミ
ッドのようだ」という意味も込めて、「金字塔」と呼ぶ習慣
が生まれ、いつしか正式な日本語になってしまったのです。