飛鳥時代に「ウサギは鳥である」と説法をしていた僧侶たちの思惑 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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「生類憐みの令」というと江戸時代の徳川綱吉によるものば

かりが有名ですが、飛鳥時代の7世紀、天武天皇も同じよう

な法令を出しています。正確には、675年4月25日のこ

とです。

 

これは、仏教の伝来の影響でした。殺生を禁じ、精進料理を

勧めたことに波及しています。

 

ただし綱吉が出したものほどには厳格でなく、「田畑を荒ら

すシカやイノシシは食べても良い」ということで、さらには

何故か鳥も食べて良かったそうなのです。当時鳥の中で最も

田畑を荒らしていたキジが一方で最もポピュラーな食べ物で

もあったことが、影響しているかもしれません。

 

ただそうしたゆるい法令な上に特別厳しい罰則もなかったの

で、守る人は少なかったそうです。そんな中、仏教に帰依す

る僧侶だけは、話が別でした。守らざるを得なかったようで

す。

 

そしてその僧侶たちを悩ませていたのが、ウサギによる被害

でした。当時のウサギは今よりパワフルで元気が有り余って

いたそうで、寺の境内をよく荒らしていたというのです。

 

僧侶たちは、ウサギが憎たらしくてしょうがなかったようで

す。ただこの当時のウサギというのは、今より丸々と固太り

していて、肉付きが良かったのです。なのでいかにも食べる

と美味しそうに見えたということです。

 

僧侶たちは、ウサギを食べたくてしょうがない。どうにかし

て食べる方法はないだろうかと、思案を重ねました。そうし

てたどり着いたというか目を付けたのが、ウサギの類まれな

跳躍力です。

 

「そうだ。ウサギを鳥だということにしよう。あれだけ見事

に飛ぶのだから、鳥に違いない」

と、僧侶たちはこじつけたのです。そして、説法して廻りま

した。

 

「ウサギは鳥であるぞ。だからこれからは、1羽2羽と数える

ように」

と、説いたわけです。それを聞いた人たちが、勿論納得した

わけではありません。笑いました。しかし面白いので、「そ

ういうことにしておいてやろう」となり、ウサギを「1羽1羽」

と数える習慣が生まれてしまったのです。

 

今もウサギを「1羽2羽」と数えますが、それは飛鳥時代のこ

の僧侶たちのバカバカしい説法が発端なのでした。

その辺を扱った動画が、次のものです。